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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年1月6日
NO2346
◆なぜ現場で新技術、新工法にチャレンジする技術者が少ないのか
新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。
すこし古い番組ですが、
テレビ東京『FOOT×BRAIN』にて、
「脳科学から看るサッカー上達法」として
脳科学者・中野信子は、日本人の脳の特性を
次のように語っておられました。
■世界で一番心配性の人が多い
これは、なんとなく
心配性の人が多いのではなく、
遺伝子で決まっているそうです。
心配性の人の割合は、
欧米で45%以下、
南アフリカは約28%なのに比べ、
東アジアは約70%以上。
特に日本では、約8割の人が心配性とのこと。
心配性だからこそ、先々のことを心配するため、
準備をしたり練習をしたり、ここがよくないから
よくしようと努力をしたりします。
世界で一番、準備や努力をする民族で、
予測能力が高いそうです。
■世界で一番正確性を重視する
心配性な日本人は
反射的に判断することにブレーキをかけ、
正確性を最優先しようとします。
日本人の正確性が一番出ているのは列車です。
ほぼ時刻表どおりに列車が到着し、発車します。
私が外国で列車に乗った際には、
いつ到着していつ発車するかわからない、
と駅員さんに言われたことがあります。
■世界で一番失敗を嫌う
ドーパミンは、
快感や幸福感に関与する神経伝達物質で、
「やる気ホルモン」とも呼ばれます。
ドーパミンレセプター(受容体)は、
神経細胞にありドーパミンと
結合することによって情報を伝達します。
日本人は受容体の機能が高いため満足しやすく、
欧米人は機能が低いため
満足を感じにくいのです。
そのため欧米人は次々と刺激やリスクを求めます。
満足を感じにくい人の割合が
特に高い南米で40%、
アジアは数パーセントで、
日本人は1%未満。
そのため、チャレンジすることを嫌う、
回避するという特性となり日本人は、
成功することが満足でなく、
失敗しないことが満足と感じます。
建設工事現場では、
これら3つの特性をもつ
建設技術者をよく見かけます。
心配性の人が多いため
リスクアセスメントやKYKを重視します。
正確性を重視するため、
求められた基準や規格どおり施工します。
一方で失敗を嫌うため
新技術や新工法の利用を嫌い、
いつもと同じ方法での施工を
望む傾向が強いのです。
現場が新技術、新工法にチャレンジして、
もしもうまくいかなかったとき、
その失敗を責める傾向があります。
しかしそれでは、
施工の質が向上しないので、
そのチャレンジ精神を褒め称えるべきでしょう。
ある建設会社では建設技術者に
「大失敗大賞」を贈っています。
その年にもっとも失敗した建設技術者を
表彰するというものです。
そのことで、
次々にチャレンジする社員が増え、
業績が向上しました。
ぜひチャレンジを讃える1年にしたいものです。
社長ブログ