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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年10月29日
NO2457
◆世界初の「3Dプリンター駅舎」が完成!~建設技術者としての可能性を広げる新時代の幕開け~
2025年7月、和歌山県のJR初島駅にて、
世界初となる建設用3Dプリンターを活用した
駅舎が供用開始されました。
今回のプロジェクトには、
JR西日本・JR西日本イノベーションズ・
セレンディクスの3社が関わっており、
老朽化した木造駅舎の代替手法として、
低コスト・短工期・地域性を重視した
新しいモデルケースを提示しています。
◆駅舎の基本仕様と施工概要
初島駅の新駅舎は以下の通り、
非常にコンパクトで効率的な
構成となっています。
延床面積:約10m2
高さ:2.6m、幅:6.3m、奥行:2.1m
設備:2人掛けベンチ、券売機、簡易ICカード改札機
装飾:地元の「みかん」「たちうお」をモチーフにデザイン
特に注目すべきは、
終電から始発までの短時間(約7時間)で
設置可能な「タイパ(タイムパフォーマンス)」
の高さです。
これは、建設現場における省人化や
夜間作業時間の最適化にもつながります。
◆施工プロセスの特徴
この駅舎は、
3Dプリンターで出力した構造パーツに、
鉄筋挿入・コンクリート充填を施し、
現地で組み立てる方式が採られました。
従来の建設手法では困難だった
曲面や造形も再現可能であり、
「建築と造形の融合」
「軽量かつ高強度な構造」
「現場作業の大幅な簡略化」
といった点で大きな可能性を示しています。
◆地方の駅舎更新に革命をもたらすか?
今回の初島駅の事例が成功すれば、
今後は第2弾・第3弾として、
より大きな駅舎への展開も予定されており、
以下のような活用が期待されます。
・地方駅の無人化対応駅舎
・小規模駅の迅速な更新
・災害時の仮設・復旧インフラ
また、装飾面でも地域の特色を取り入れやすく、
観光資源の一部としての価値も持たせることができます。
◆技術者として、今こそ“頭を柔らかくする”とき
この3Dプリンター駅舎のニュースを聞いて、
「自分には関係ない」と思う方も
いるかもしれません。
しかし、建設技術者として
最も恐れるべきは“思考停止”です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)や
ICT、3Dプリンティングなど、
今後の建設技術は
“想像できる人材”にチャンスが訪れます。
ぜひ、次のような問いを
自分自身に投げかけてみてください。
「自社のどの工事に、この技術が応用できるか?」
「この施工プロセスを、仮設事務所や倉庫に活用できないか?」
「3D造形+建設という新しい職域に、自分の経験をどう活かせるか?」
◆まとめ:未来の建設は、“柔軟な頭”を持つ者が切り拓く
イノベーションは、常に
“最初は小さく、目立たない”
ところから始まります。
10m2の駅舎が、将来のインフラ整備の
在り方を変える第一歩かもしれません。
私たち建設技術者は、
「変化を拒む」か、「変化を楽しむ」かで、
これからのキャリアが
大きく変わってくるでしょう。
まずは、初島駅の事例を「自分ごと」として
受け止めてみることから始めてみませんか。
※出典:「スマートモビリティJP」
2025年7月28日配信記事より
※参考技術:建設用3Dプリンター(セレンディクス社)
社長ブログ