社長ブログ

現場粗利はどうすれば上がるのか【がんばれ建設1598】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年8月5日
NO1598

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今日の一言
「PDCAを回せ」
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7月31日(金)の「がんばれ建設」メールマガジンにて

人の成長は「経験70%、薫陶20%、研修10%」と書きました。

薫陶とはOJT、研修とはOFF-JTのことです。

では、どのような経験を積むと人は成長するのでしょうか。

哲学者・ドゥルーズは「差異と反復」が重要だと言っています。

ドゥルーズによれば、「反復」とは同じことを機械的に繰り返す行為のことを

指しますが、そこからは変化や創造が生み出されることはありません。

しかし、「差異」を生み出すことを意識しながら反復を続けると、

それはリフレインと呼ばれる状況になって

学習と成長が促進されるというのです。

一方、松下幸之助は、「革新」が重要だと言っています。

「同じことを同じままにいくら繰り返しても、そこには何の進歩もない。

 先例におとなしく従うのもいいが、先例を破る新しい方法を

 工夫することの方が大切である。

 やってみれば、そこに新しい工夫の道もつく」

(『道をひらく』PHP研究所)と述べています。

ドゥルーズと松下幸之助が、それぞれ述べている

「差異を生み出す反復」「先例を破る新しい方法」という概念が、

学習と成長を促すヒントを与えてくれます。

そして、その概念をふまえて人材育成を行うためには、

PDCAサイクルに則って日々の仕事をきっちり回すよう、

指導することが大切です。

例えば、建設工事現場における原価管理で考えてみましょう。

(Plan)歩掛かりをもと実行予算を作成する

(Do)予算に沿って労務や資材を発注する

(Check)予算どおりの支払になっているか

     また、外注単価は妥当だったのかを歩掛かりをもとにチェックする

(Action)今回工事の中間チェック結果、および精算結果を踏まえて、

     次の工事ではいくらで発注すれば良いのかを振り返る

このように、当たり前のことを徹底して実践することが、

非凡な力を生み出す源泉になるという考え方がありますが、

人づくりにおいても、理屈は一緒です。

一方、私が多くの建設会社で原価管理の様子を見る限り、

PDCAを回しきっていません。

(Plan)協力会社の見積もりをもとに実行予算を作成する

(Do)予算以下になるようネゴという名の値切り交渉で原価を下げようとする

(協力会社はこのことを予想しているので、予め高い見積もりを出している)

(Check)支払が予算以下かどうかのチェックだけで

     歩掛かりのチェックをしていない

(Action)工事が終わっても原価について振り返ることをしていない

このような状況では原価は下がりませんし、何より社員の成長はありません。

仕事を進める際の基本中の基本ともいえるPDCAサイクルに則った

仕事の進め方を徹底して実践させることで、

「差異を生み出す反復」「先例を破る新しい方法」を

主体的に追求する人材が育つのです。

PHP研究所 的場正晃著 7月15日(水)記事を

一部参考にしました。

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【編集後記】
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コロナ禍で在宅の方が多いようで「メルカリ」の

販売数が増えているそうです。

私も不要品はよく「メルカリ」に出すのですが

このところ、売れる頻度が上がってきたように思います。

これこそ「巣ごもり需要」ですね。