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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年8月1日
NO2423

◆工事現場で必要な建設業法、下請法のポイントを学べる解説セミナーを開催中です
◆「下請法」改正で「下請け」という言葉がなくなる
2026年1月、改正「下請法」が施行されます。
この法改正により、ついに法律から
「下請け」という言葉が廃止されます。
新しい法律名は、
「中小受託取引適正化法」
(正式名:「製造委託等に係る中小受託事業者に
対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」)です。
これは単なる名称変更ではありません。
法律用語の改革は、業界文化の
大きな転換点でもあるのです。
◆建設業は対象外、でも「他人事」ではない
今回の「下請法」の改正は
主として製造業や設計業などが対象で、
建設業を対象とする「建設業法」の改正ではありません。
しかし、すでに国会では
「建設業法でも下請け用語を見直すべきでは?」
という声があがり、国土交通省も
「業界の意見を聞いた上で検討する」
と答弁しました。
建設業法にも頻繁に登場する
「下請け」という用語が、
今後見直される可能性があるのです。
◆「下請け」文化が生んだ上下関係
「元請け」と「下請け」
この言葉の組み合わせは、
無意識に上下関係をつくります。
指示する側と、従う側
管理する側と、される側
支配する側と、我慢する側
本来、建設現場は
「共につくる」場であるべきです。
しかし「下請け」という言葉のせいで、
協力会社との対等な関係が
築きにくくなっている現実があります。
◆言葉を変えると、現場が変わる
今後は「中小受託事業者」や「委託事業者」
という表現に切り替わっていく見込みです。
「下請業者」→「パートナー企業」「協力会社」
「親事業者」→「主契約者」「発注者」
呼び方が変わるだけで、空気が変わります。
お互いを尊重する文化の土台が、
言葉から生まれるのです。
◆若手技術者に伝えたいこと
若手の皆さんにこそ、
問い直してほしいことがあります。
「この現場は“上下”で動いていないか?」
「パートナー企業と“信頼関係”でつながっているか?」
現場は、
上から命令して動かす場所ではありません。
設計、製造、施工…
さまざまなプロが連携しながら、
1つのものをつくるプロジェクトチームです。
◆今後の動きに注目
現時点では、
建設業法の再改正は予定されていません。
ですが、国交省は
「業界の声を聞きながら検討する」としています。
私たち自身が「下請け文化」に違和感を覚え、
現場から変化をつくっていくことが、
次の法改正、そして次世代の建設業の
あり方につながるはずです。
「下請け」と呼ばない業界へ。
言葉を変えることで、
現場の未来も変えていきましょう。
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【編集後記】
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今日から8月です。
お盆休み前の忙しさという方もいると思います。
くれぐれも体調ご留意ください
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