■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年9月26日
NO2444
◆「働き続けてほしい」「残ってほしくない」と思われるシニア技術者の違いとは
建設業界でも定年延長や再雇用が進み、
60代、70代でも現場で活躍する技術者が
増えています。
ただし、同じ年齢層でも
「ぜひ残ってほしい」と言われる人と、
「もう来なくてもいい」と思われる人がいます。
その違いはどこにあるのでしょうか。
◆1. 経験に縛られないフラットな姿勢
長年の経験は財産です。
しかし「自分のやり方が正しい」という
先入観が強すぎると、
若手や現場の新しい方法と衝突してしまいます。
時代とともに
工法やICTの活用は進化しています。
経験を活かしながらも柔軟に学び直す姿勢こそが
「一緒に働きたい」と思われる条件です。
◆2. 口だけでなく手を動かす
「若手を教育するのが自分の役割だ」
と考えるのは自然ですが、それを
“口頭指導だけ”にしてしまうと逆効果です。
若手が見たいのは「言葉」より「実践」です。
例えば、鉄筋の検測や施工計画書の赤入れなど、
自ら動いて見せることで、
若手は「こうやるのか」と体で理解できます。
口だけで動かない上司は最も嫌われる存在です。
◆3. 会社の利益に貢献できる人
「年齢を重ねたから現場の細かいことは
もう若手に任せる」という姿勢ではなく、
いつまでも“稼ぐ”意識を持つことが大切です。
利益は役職ではなく
「どれだけ現場に貢献できるか」で決まります。
工程短縮の工夫、
安全管理の徹底、原価低減の提案――
現場でできる稼ぐ仕事はいくらでもあります。
◆現場で実際に「残ってほしい」と思われた事例
あるダム工事の現場では、
70歳を超えたベテラン所長が
再雇用で参加していました。
彼は「若い頃のやり方はもう通用しない」と
自覚しており、毎朝ドローンによる出来形管理を
自分の手で行い、そのデータをもとに
若手と一緒に工程会議を進めていました。
また、コンクリート打設では自ら現場に立ち、
スランプ値の確認や試験体の作製を
若手と並んで実施。
その姿に若手は
「この人の言葉には重みがある」と感じ、
現場全体が引き締まりました。
結果として工期短縮につながり、
発注者からの信頼も厚く、
「ぜひ次の現場でもお願いします」
と言われたそうです。
◆若手へのメッセージ
若手の皆さんも、今から
「どんな年齢の重ね方をしたいか」を
意識してみてください。
・経験に縛られず柔軟であること
・言葉より行動で示すこと
・常に会社に利益をもたらす意識を持つこと
この3つを続けることで、あなたも
「長く必要とされる技術者」になれます。
◆まとめ
「経験があるから残ってほしい」ではなく、
「現役として戦力になるから残ってほしい」――
そんなミドル・シニアこそ、
建設業界にとって欠かせない存在です。
*************************************************
【編集後記】
*************************************************
先日、映画「国宝」を観てきました。
二度目です。
日本の伝統芸能である歌舞伎の本物を
ますます観たくなりました。
*************************************************
社長ブログ