■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年12月12日
NO2474
◆「自分は悪くない」と思ってしまう人が、現場をこじらせる
カーネギーの著書『人を動かす』に、
こんな話があります。
「おれは世のため人のためにつくしてきた。
得たものは非難とお尋ね者の烙印だけだ」
全米を震え上がらせたギャング王、
アル・カポネの言葉です。
驚くべきことに、
アル・カポネのような極悪人でさえ、
自分を「悪人」とは思っていませんでした。
むしろ「誤解されているだけの善人」だと
本気で信じていたそうです。
この話、私たち建設技術者にも、
他人事ではありません。
■現場でよくある「自分は悪くない」の主張
「工程が遅れたのは協力会社のせいだ」
「発注者が無理を言ってきたから」
「所長の指示が曖昧だった」
こんなセリフ、耳にしたことが
あるのではないでしょうか?
ときには、自分自身が口にしたことが
あるかもしれません。
でもそれは、本当に
“他人のせい”なのでしょうか?
人は、非難されたと感じると、
反射的に自己防衛し、
自分を正当化してしまうものです。
それが自然な心理です。
カーネギーはこのように述べています。
「人は、自尊心のかたまりだ。
非難という冷たい北風では、
心はますます閉ざされるだけだ」
これは、若手指導でもまったく同じです。
■「なぜできないんだ!」ではなく、「どうすればできるか?」へ
若手や部下がミスをしたとき、
「なんでそんなこともできないんだ」と
言ってしまいそうになる場面もあるでしょう。
でも、非難の言葉を投げれば投げるほど、
相手は自己防衛モードになり、心を閉ざします。
たとえ指摘が正しくても、反発しか生みません。
むしろ、こんなふうに聞いてみるのが効果的です。
「この状況をどう思った?」
「自分ならどう改善できそう?」
「原因は何だったと思う?」
こうして
“問いかけ”で相手に考えさせることで、
自分の行動を振り返る力が育ちます。
■「明るい自責思考」が信頼される技術者を育てる
もちろん、何でもかんでも
「自分が悪い」と背負い込む必要はありません。
行き過ぎた自責思考は、
ストレスやうつの原因になります。
必要なのは「明るい自責思考」です。
「今回のトラブル、
原因は他にもあるかもしれない。
でも自分の工夫でもう少し防げたかもしれない」
「次はこう改善しよう。きっともっと良くできるはずだ」
自分の中に「改善の余地」を見つけて、
前向きに取り組むこと。
これができる技術者は、
若手からも協力会社からも信頼され、
チームの空気を変えていきます。
【まとめ】
・誰もが「自分は悪くない」と
思いやすいのが人間の性
・批判よりも「問いかけ」が相手の心を動かす
・目指すべきは、責任感と前向きさを
併せ持つ「明るい自責思考」
「そういうあなたはどうなんだ?」と、
部下や周囲に問われたとき、
胸を張って「自分を律してますよ」と言える
リーダーでありたいものです。
*************************************************
【編集後記】
*************************************************
「自分は悪くない」と
思ってしまう人がいなくなれば
国際関係もうまくいくのでしょうね。
*************************************************
社長ブログ