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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年12月15日
NO2475
◆その一言が若手を追い詰める~残念な声かけをしないために~
「君なら絶対できる!」
「ピンチはチャンスだ!」
「社長も期待していたぞ!」
一見、前向きで
やる気を引き出しそうな言葉ですが、
実はこのような“励まし”が、
若手を退職に追い込む
引き金になることがあります。
某企業の部長(52歳)が
「若手のやる気を引き出そう」と
積極的に声をかけたものの、
それが裏目に出てしまい、
30代の有能な社員が突然辞めてしまった
というケースが話題になりました。
これは決して他人事ではありません。
建設現場でも“善意のつもりが逆効果”という
声かけは意外と多いのです。
■なぜ「ポジティブな言葉」が若手を傷つけるのか
その部長が使っていた言葉は、
よくある“やる気スイッチ”系の声かけでした。
「あと一息だ、がんばれ」
「お前の限界が見たい」
「とにかくやってみよう」
これらの言葉が
なぜ“残念な言葉”になるのか?
それは、
「上司のテンション」と「部下の状況」の間に
“温度差”があるからです。
若手はすでに業務量や
責任の増加でいっぱいいっぱい。
そこにさらに圧をかけるような
言葉が投げ込まれると、
「さらに追い込まれた」「業務が増えるだけ」
と感じてしまうのです。
■建設現場でもよくある「悪意のないすれ違い」
最近の調査では、管理職の約半数が
「部下を傷つけた認識がない」一方で、
部下の6割が
「上司の言葉で傷ついた経験がある」
と回答しています。
建設業界でも、
以下のような言葉に注意が必要です。
「うちはこうやってきたんだから」
「みんなやってるよ」
「やるしかないでしょ」
どれも“悪意がない”からこそ厄介で、
上司の常識が若手にとっては
“プレッシャー”になることが多いのです。
■コンプライアンスより“関心”を持つ
最近はコンプライアンス意識の高まりから、
「個人的な話は避ける」「雑談は控える」
といった傾向も増えています。
しかしそれでは、信頼関係の“下地”ができません。
若手との関係を築くためには、
「いきなり業務のボールを投げる」のではなく、
まずは心情を想像し、軽くキャッチボールを
始めることが大切です。
かつての現場には、「油を売るおじさん」的な、
ただそこにいて、冗談を言い、
空気を和ませる存在が必ずいました。
今の時代こそ、そんな“ゆるい上司”の役割が
求められているのかもしれません。
■「残念な言葉」にしないために
若手に届く言葉には、共通点があります。
・上司の“借り物の言葉”ではない
・その人自身の経験がにじみ出ている
・仕事の価値と貢献を具体的に伝えている
たとえば
「君と同じように、俺も昔、
ミスで現場止めたことあるよ。
でもその時の経験が一番役に立ってる」
「今回の報告書、助かったよ。
おかげで協力会社への説明がスムーズだった」
こうした言葉は、部下の存在を“認めている”
ことを伝える力があります。
【まとめ】声かけの前に確認したい3つの視点
1) 相手の今の状態に寄り添っているか?
(がんばれ!より、「最近忙しそうだけど、大丈夫?」)
2) その言葉は、上司の経験をふまえた“実感”か?
(「やればできる」ではなく、「俺も失敗したけど、乗り越えた」)
3) その仕事の“価値”と“貢献”を伝えているか?
(「ありがとう」「おかげで助かったよ」)
若手が辞めてしまう理由は、
「仕事がきついから」ではなく、
「自分の存在が認められていない」
と感じたときです。
あなたの“ひと言”が、
部下の背中を押すことも、引き離すこともある。
今こそ、「伝える」より「伝わる」
コミュニケーションを意識していきたいものです。
社長ブログ