■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年7月16日
NO2417
◆それ、本当に“指導”ですか?~パワハラと指導との境界線とは~
「最近の若手は打たれ弱い」
「自分も昔は厳しく叱られて育った」
「これがパワハラなんて、やりにくい世の中だ」
現場のリーダーとして、
こう感じたことはないでしょうか。
しかし、昔の常識が通じない時代に
なってきているのは確かです。
パワーハラスメント(パワハラ)は
「相手のために」と思ってした言動であっても、
受け手が精神的・身体的苦痛を感じ、
職場環境が悪化すれば成立するというのが
実際の判断基準です。
とくに建設業界のように、
現場での厳しさが求められる業種では、
「指導」と「パワハラ」の線引きが
非常に難しくなっています。
◆思い込みを捨てよう
~パワハラチェックリスト10~
次のチェックリストを確認してみてください。
1つでも当てはまれば、パワハラの可能性があります。
□ 部下の失敗をみんなの前で叱っている
□ 「昔はもっと厳しかった」と経験を盾にして否定している
□ 業務時間外でも頻繁に電話やメールをしている
□ 飲み会に「参加しないと評価に響く」と言っている
□ 部下の私生活に踏み込んでいる
□ 休暇申請に嫌な顔をする
□ 部下の個人情報を許可なく他者に話している
心当たりがあれば、今すぐ見直す必要があります。
◆事例から学ぶ「指導のつもりが訴訟に」
ケース1:否定的なメール1通で訴訟に
「お前は意欲がない」「この仕事に向いていない」
などの文面が、訴訟のきっかけに。
裁判所は“違法”と断罪しました。
ケース2:立たせたまま叱責、後に脳梗塞発症
注意が長時間に及び、身体的ストレスが
原因となって病気が発症。労災と認定されました。
ケース3:人格否定の発言が招いた悲劇
繰り返された言葉により、部下が精神を病み、
自ら命を絶つ事態に。裁判で業務起因性が
認められました。
◆“適切な指導”のための3つのポイント
1)部下の話を聞く
上司が一方的に話すのではなく、
「どう思う?」「何に困ってる?」と問いかける。
2)1on1ミーティングを定期開催
月1回でもよいので、意図的に話す時間を
確保することで、小さな悩みを見逃さない。
3)日常の声かけを大切に
「お疲れさま」「今日の現場はどうだった?」
という何気ない一言が、信頼関係の土台になります。
◆あなたの“正義”が、相手の“痛み”になっていないか
建設業はチームワークの仕事です。
現場がギスギスしていては、
安全も品質も守れません。
昔の常識に頼るのではなく、
今の部下に合った関わり方を考える
それが、令和時代のリーダーに
求められる力ではないでしょうか。
叱るのではなく、支える。
押しつけるのではなく、導く。
「いい現場」は「いい関係」から生まれる。
そんな職場づくりを目指していきましょう。
*************************************************
【編集後記】
*************************************************
ハタ コンサルタント株式会社への
ハラスメント研修のご依頼が増えていることを
考えると、まだまだ現状は厳しいようです。
社員さんが働きやすく、かつ業績が上がる
組織づくりを進められるよう、一層がんばります。
*************************************************
社長ブログ