■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年9月10日
NO2438
◆どうすれば、建設業シニアが現場で活躍できるのか
2025年4月から、すべての企業において
65歳までの継続雇用が義務化されました。
これは建設業界にとっても、大きな転機となります。
ただし
「雇い続ければよい」という話ではありません。
問題は、“どう活躍してもらうか”です。
私は現場でこういった声をよく耳にします。
「もう定年だから…」
「再雇用されているだけだから、目立たずにやるよ」
「給料が下がったから給料分しか働かないよ」
このような“遠慮”や“あきらめ”が、
かえって若手のやる気を削いでいることもあります。
いま、建設業のシニアには
「頼られる存在」になることが求められています。
◆頼まれること=強み
ミドル・シニアのキャリア支援を行う
専門家の言葉が印象的でした。
「周囲に何を頼まれているか」に
目を向けることが、再スタートのヒントになる。
これは現場でもよくあることです。
「○○さん、図面のまとめを手伝ってもらえませんか?」
「あの職人さんには○○さんの方が話が通じるから、同行してもらえますか?」
「若手に施工計画の考え方を、教えてもらえませんか?」
こういった“頼まれごと”には、
その人の信頼やスキルが表れています。
「頼まれる」ということは、
「価値を持っている」ということ。
だからこそ、それを自分の強みと捉えることが、
シニアに必要なマインドセットなのです。
◆「会社はクライアント」という発想を持つ
あるキャリア専門家はこう述べています。
「シニアはアーティストになれ。
自分の技術で誰かを喜ばせる存在になれ。」
私はこれを聞いて、
「現場監督はまさに職人でありアーティストだ」
と思いました。
だからこそ、定年後も
「技術で貢献する」という気持ちを持つことが、
真のプロの姿勢です。
建設会社の中には、シニア社員に
「自由提案制度」を設けている企業もあります。
「この現場でこういう施工管理アプリを試してはどうか」
「若手向けにこんなOJTプログラムをやってみたい」
「この重機レンタルの仕組みを見直したい」
こうした提案をしたシニア技術者が、
再び現場で重用され、
報酬を上げられたという事例もあります。
年齢ではなく、“成果で報いる”
人事制度への転換期が、
すぐそこまで来ています。
◆「かっこいいシニア」が現場を変える
私たちの現場では、
若手の定着が大きな課題です。
そのときに、ロールモデルとなるのが、
かっこよく働くシニアの姿です。
・現場で必要とされている
・若手に惜しみなくノウハウを伝える
・楽しそうに、前向きに働いている
そんなシニアを見た若手は、
「こんな風に年を重ねたい」と
思うようになります。
つまり、シニアの再活躍は、
若手育成そのものでもあるのです。
建設業界は、これから
「生涯現役社会」へと進んでいきます。
60歳以降も、
自分のスキルで頼られる人材になる。
それが、これからの建設技術者に
求められる姿だと思います。
*************************************************
【編集後記】
*************************************************
70歳まで現場で勤務する方が増えてきました。
私は今64歳ですので、
まだ頑張れることを実感しています。
大いに活躍してほしいものです。
*************************************************
社長ブログ