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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年12月8日
NO2472
◆なぜ「建設技能者の仕事」が見直されているのか
~AI時代に技術者が選ばれる理由~
アメリカで今、
「配管工」「整備士」「空調設備工」など、
いわゆる技能者の仕事が再評価されています。
カリフォルニアで配管工として働く
チョン・マイさんは、もともと会計士。
大学を出てホワイトカラーとして
働いていましたが、リスキリングを経て
現場職に転身。なんと収入は3倍になり、
やりがいも感じているといいます。
理由のひとつは
「AIでは代替できない仕事」だからです。
会計業務や事務作業、エンジニアリングの
一部は生成AIによって代替が進んでいます。
しかし、配管のように
“現場の複雑な状況を読み取り、
身体を使ってその場で最適な処置を施す”
仕事は、今後も人間にしかできません。
こうした潮流はアメリカだけでなく、
日本の建設業にも当てはまります。
◆ブルーカラーとホワイトカラーの境界がなくなる
私たちの建設現場は、まさに
人間にしかできない判断と技能の集積です。
例えば、騒音・振動に配慮した段取り、
気象の変化を考慮した工程管理、
職人との信頼関係構築など、
AIには難しい“現場力”が求められます。
一方、施工計画書や積算などの
事務作業は、今後AIによる自動化が
進む可能性が高いでしょう。
つまり、ホワイトカラーとブルーカラーの
境界があいまいになっていくのです。
◆若手技術者にこそ「現場での手触り感」を
若手技術者の育成を考えるとき、
「とにかく早くPC作業に慣れさせよう」
となりがちです。しかし、これからの時代に
“AIでは代替されない人材”を育てるには、
「現場での体験」がますます重要になります。
重機の音、墨出しの緊張感、
作業員とのちょっとした会話……。
こうした現場での手触り感は、
デスク上の図面だけでは決して得られません。
建設業は「AI時代の最前線」
といえるのではないでしょうか。
◆建設技術者の価値は、むしろ高まっている
現在、アメリカでは
AI関連施設(データセンター、研究所)の
建設ラッシュにより、配管工や整備士の
需要が高まっています。
日本でも、再エネ設備、物流倉庫、
インフラ老朽化対策など、
建設業の需要は底堅く推移しています。
つまり、現場で働ける技術者の価値は
むしろ「これから」なのです。
ただし、そこで求められるのは
“旧来のやり方に固執する人”ではなく、
現場での経験を活かしながら、AIやDXを
使いこなす「新しい建設技術者」です。
AIが進化するほど、
“人間にしかできない仕事”が光を放ちます。
今まさに若手技術者に必要なのは、
「現場で汗をかき、リアルを知る力」。
そしてそれを将来、AIを使って最適化できる
技術者へと育てていくことだと思います。
「AIで仕事がなくなる」と不安になるよりも、
「AIにできない仕事ができる自分になる」
ことを意識して、日々の業務に取り組みたいものです。
日本経済新聞 12月3日の記事を一部参考にしました。
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【編集後記】
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私はAIを活用している方だと思っていますが、
AIに使われないよう気をつけないといけないと思っています。
社内では「AIを超える仕事をしよう」が合言葉です。
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社長ブログ