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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年11月28日
NO2468
◆なぜお客様の指示どおりに工事をしてはいけないのか
マーケティングの世界には、
こんな有名な言葉があります。
「人々が本当に欲しいのは、4分の1インチの
ドリルではなく、4分の1インチの穴である」
お客様が買いに来るのは「ドリル」ですが、
実際に求めているのは「穴をあけること」です。
つまり手段(ドリル)ではなく、
目的(穴)を満たしたいのです。
この視点は、私たち建設技術者の仕事にも
通じるものがあります。
◆お客様の「本当のニーズ」を聞いていますか?
私たちは日々、顧客や発注者から
「こうしてほしい」「この構造でやってくれ」
といった依頼を受けます。
そのとき、つい「どうやって施工するか」
「どの工法が適用できるか」と考えがちです。
しかしそこで一歩踏み込んで、
・なぜこの構造が良いのか?
・どんな課題を解決したいのか?
・最終的にどういう効果を期待しているのか?
といった背景や目的を聞けるかどうかで、
提案の質が大きく変わってきます。
◆「ドリル」的提案と「穴」的提案の違い
例をあげてみましょう。
ある客先から
「遮音壁をこの仕様で設置してほしい」
と言われたとします。
多くの人はその指示に従って
見積・施工の準備を始めるでしょう。
しかしそこで
「なぜその仕様を希望されているのか?」
を確認したとします。
実は、近隣住民からの
「工事中の騒音苦情対策」が目的だと
分かったとしたら、遮音壁以外にも
・騒音のピーク時間を避けた施工スケジュールの提案
・防音機械の使用
・近隣への事前説明会
など、より目的に即した
多面的な提案が可能になります。
お客様の指示どおり工事をするのではなく、
結果として、発注者との信頼関係が深まり、
予算や仕様変更の余地が広がることもあります。
◆若手技術者にこそ求められる「聴く力」
若手技術者の育成においても、
この「聴く力」は非常に重要です。
「指示通りやる」ことはもちろん必要ですが、
それだけでは価値を生みません。
「何のためにこの施工をするのか」
「相手が本当に困っていることは何か」
そうした目的に目を向けることで、
技術者としての“提案力”が身についていきます。
これからの現場では、
「指示を正確に遂行できる人」よりも、
「課題を一緒に解決できる人」が
求められる時代です。
◆まとめ:ドリルではなく「穴」を見よう
「ドリルを売るな。穴を売れ」という言葉は、
建設業でも非常に示唆に富んでいます。
・見えている要望の裏にある本当のニーズを掘り起こすこと
・商品や施工ではなく「成果」や「安心」を提供すること
・仕様ではなく「背景」を理解すること
技術力だけではなく、相手の立場で考える力を
持った技術者こそが、これからの現場を
リードしていくでしょう。
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【編集後記】
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現在遅ればせながら
Instagram開設の準備をしています。
お楽しみに。
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社長ブログ