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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年6月13日
NO2404
◆安全に「即効薬」はない
「来月の現場パトロールまでに、
作業員の安全意識を高めておいてくれ」
「現場で事故が続いたから、すぐに対策をとってくれ」
建設現場では、安全に関しても
“即効性”を求められることがあります。
しかし本当に、「安全にすぐに効く即効薬」など、
存在するのでしょうか?
私たちは今、「スピード」に支配された
社会に生きています。
スマホは即時に答えを返し、
ネット通販は翌日には荷物を届けてくれます。
そのスピード感を、私たちは仕事にも、安全にも
当たり前のように求めるようになっていないでしょうか?
◆安全文化に“近道”はない
安全対策を
「今すぐ何とかしよう」と思ったとき、
つい見た目の改善や短期的な取組みに走りがちです。
標識を新しくする
点検リストを見直す
「安全強化月間」を実施する
たしかに、これらは
“効果が出たように見える”かもしれません。
しかし、歯やら句碑との意識が変わらなければ、
結局すぐに元通り。根本的な改善にはなりません。
脳科学では、習慣が定着するまでに
最低3ヶ月以上、無意識レベルの定着には
半年~1年が必要だといわれています。
つまり、本物の「安全文化」を育てるには、
“熟成”という時間の投資が必要なのです。
◆熟成させる安全の取り組み
ある現場では、朝礼のあとに
「昨日のヒヤリハット」とともに
「昨日よかったこと」を1人ずつ発表しました。
ヒヤリハットだけでは発表しにくいのですが、
良かったこととともに伝えることで
声がけが増えました。
この取組は、即効性はありませんが、
じわじわと、安全の芽が芽生えます。
◆“即効性”と“熟成”の共存
もちろん、短期的な対応も必要です。
しかし、それだけで終わってしまえば、
一過性に過ぎません。
本質的な安全文化を築くには、
「短期策」と「長期的な習慣づくり」の
両輪が必要です。
◆熟成の先にあるもの
ワインと同じように、良い安全文化も
時間と手間をかけて育てていくものです。
目に見えない変化にこそ価値があります。
そして、その変化はある日突然、
事故ゼロや高い士気という形で実を結びます。
小さな取り組みを続けることこそ、
建設現場における
本物の安全文化をつくる第一歩です。
現場全体で「熟成」を意識した
安全づくりに取り組んでいきましょう。
社長ブログ