建設会社のお困りごと支援 ハタ コンサルタント株式会社

社長ブログ

なぜ建設技術者には「きれい」「かっこいい」と感じる気持ちが必要なのか【がんばれ建設2382】

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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年4月21日
NO2382

◆なぜ建設技術者には「きれい」「かっこいい」と感じる気持ちが必要なのか


私たち建設技術者は、図面を読み、現場を動かし

数多くの判断を日々下しています。

そこには、品質・原価・工程・安全・環境という

「5本柱」が常にあり、それらを守ることは

当然の責務です。



しかし、近年、こうした「守る力」と同じくらい

重要になってきたのが、「創造する力」です。



時代は今、技術の転換点を迎えています。

ICT施工、i-Construction、

BIM/CIM、AIやドローンの活用、

さらには遠隔臨場による働き方改革。

こうした新しい波に乗り遅れず、

柔軟に対応できる技術者には、

共通する特徴があります。

それが「好奇心の強さ」です。



スコット・バリー・カウフマン氏の著書

『クリエイティブ思考が身につく10の習慣』では

好奇心には3つの種類があると紹介されています。



【1】知的好奇心(向上心)



これは、物事の仕組みや意味を

深く理解しようとする探究心です。

「なぜこの工法が選ばれたのか?」

「他にもっと効率の良いやり方はないか?」

そう考える癖のある人は、知的好奇心が強い人です。



知的好奇心を持つ技術者は、

指示待ちではなく自ら学び、

現場の課題に正面から向き合おうとします。

現場が抱える問題の本質を突き止めようとする

姿勢が、施工トラブルの未然防止につながります。



【2】情動的好奇心(感性)



これは、感情や共感に基づいた好奇心です。

「近隣の方はどんな気持ちで工事を見ているだろう?」

「協力会社の作業員が無理をしていないだろうか?」

そうした"気づき"に敏感な人です。



感性が鈍ってくると、現場での小さな変化や

人の気持ちに気づけなくなってしまいます。

感性は、理性だけでは磨けません。

ワクワクする心、感動する心、冒険心、

そうした情動的好奇心を持ち続けることが、

現場の空気を読み、

チーム全体を明るくする力になります。



【3】美的好奇心(美意識)



これは、見た目の美しさや

精神的な美に心を惹かれる感性です。

「この仮設計画、動線が美しいな」

「この足場、無駄がなくてかっこいい」

そんなふうに感じたことはないでしょうか?



建設業は、単にモノを作る仕事ではありません。

「人が長く安全に、快適に使う構造物」を

つくる仕事です。

そこには、日本人らしい

「侘び・さび」「型の美しさ」「無駄のなさ」

といった美意識も重要な要素となります。

美的好奇心を忘れずにいれば、自然と

「丁寧な仕事」

「細部にまで配慮が行き届いた現場運営」

ができるようになるはずです。



さて、この3つの好奇心に

共通することがあります。

それは、「知りたい、探求したい」という

気持ちこそが、クリエイティブな成果を生む

源泉であるということです。



実際に、スコット氏が行った研究によれば、

知能指数の高さよりも、

「どれだけ好奇心が旺盛か」の方が

仕事の質に大きな影響を与えているといいます。

特に、美的好奇心の強い人ほど、

創造的で高品質な成果を生み出している

というのです。



私は、現場で成果を出す人には、

共通する何かがあるとずっと感じてきました。



「現場をもっと良くしたい」

「効率化したい」「人間関係を良くしたい」

そうした内なる衝動に突き動かされて、

資料を読み漁ったり、新しい技術を試したり

している姿を何度も目にしてきました。



好奇心を持っている人は、

いくつになっても若々しく、

学び続け、チャレンジし続けているのです。



私たちは、「失敗を恐れる文化」に囲まれて

育ってきたかもしれません。

けれども、時代は変わりました。

今は「挑戦することが評価される時代」です。



建設現場にこそ、もっとクリエイティブな

発想が求められています。

もっと言えば、施工管理にこそ、

創造的思考が必要な時代になっています。



どうか、知的な探究心、みずみずしい感性、

そして日本人らしい美意識を大切にして、

自分の中にある「好奇心の芽」を育ててください。



若手の方もベテランの方も、私たちは皆、

学びをやめない限り、何度でも新しくなれます。



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【編集後記】
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私が以前ダムを造っていた土地は

標高1000m程度でしたので

桜が咲くのは4月後半でした。

本メルマガの読者も今、

桜の真っ盛りというところもあるでしょうね。


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