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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年7月30日
NO2422
◆なぜ採用面接で現場のリアルを伝えなければ早期退社を招いてしまうのか
「また若手が辞めてしまった」
そんな嘆きを、現場の所長や部課長から
聞くことがあります。
待遇は悪くない、研修もしている、でも離職する
――なぜなのか。
一橋大学大学院の楠木建特任教授は、
「そもそもミスマッチが起きている。
『好き嫌い』を採用基準にすべきだ」
と語っています。
今回は、若手技術者の
早期離職の本質に迫る話題をお届けします。
◆初任給アップだけでは足りない
最近では新卒採用競争が激化し、
「初任給30万円超」や
「豪華なインターンシップ」
などが話題になっています。
たしかに、待遇は良いに越したことはありません。
しかし、それは
「インセンティブ(誘因)」にすぎず、
本人の内側から湧いてくる
「ドライブ(動因)」とは異なります。
仕事にドライブがある若手は、
「頑張っている」というより、
「好きでやっている」状態になります。
だから成果が出やすく、成長も早いのです。
◆若手の離職理由は「だめな若者」だけではない
若手が早期に辞める理由は、
大きく分けて2つあります。
1. 単に現実をなめていた「若さゆえ」のケース
2. 採用時に会社が仕事のリアルを伝えきれていなかったケース
前者はどの時代にも一定数存在します。
しかし本当に問題なのは後者です。
「こんなにやりがいがある」
「楽しく成長できる」と魅力的に語ったものの、
いざ入ってみたら、騒音・暑さ・力仕事の連続だった。
現場のリアルを伝えきれていなければ、
ミスマッチは避けられません。
◆面接で「パソコン操作は得意ですか?」より「パソコンは好きですか?」
スキル重視の面接では、
WordやExcel操作など
「良しあし」で判断しがちです。
ですが若手は経験も浅く、
スキルではまだ差が出にくい。
それよりも、「好き嫌い」に焦点を当てると、
本人が楽しめる仕事、長く続けられる仕事に
結びつけやすくなります。
たとえば「書類整理が好き」
「数字をいじるのが好き」という若手には、
施工管理より工程・原価管理や、施工計画の
調整を任せる方が向いているかもしれません。
◆「好き嫌い」を現場育成にも活かす
採用だけでなく、現場育成にも
この「好き嫌い」の視点は有効です。
「パソコンの操作が好き」なら、
ICT建機の担当へ
「人と話すのが好き」なら、
協力会社との調整役へ
「図面を描くのが好き」なら、
施工計画の作成担当へ
好きなことに取り組んでいると、
やる気が自然と湧いてくるものです。
それが成果につながり、評価にもつながります。
◆部下の“好き”を見抜くのがリーダーの役目
若手の育成では、
「この子には何が合っているか?」を
常に問いかけたいものです。
そのためには、日頃の会話の中で、
「何が楽しかった?」
「どの業務が一番集中できた?」
と尋ねてみてください。
部下の“好きのツボ”を見つけることができれば
その人に合った育て方が見えてきます。
今どきの若者に必要なのは、
「あなたは何が好き?」
と問いかけてくれる大人です。
技術者の育成もまた、
“好き”から始める時代に入っています。
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【編集後記】
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ハタ コンサルタント株式会社も
日々採用面接をしています。
自社に合う人材を見つけるために
試行錯誤しています。
人を面接で見極めることは難しいことですね。
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社長ブログ