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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年4月25日
NO2384
◆なぜ雑談をすると心理的安全性が高まるのか
建設現場は、
さまざまな業種・年代・価値観を持つ人たちが
集まり、一つの目標に向かって動く場所です。
工程管理、安全管理、品質管理など、
求められるのはどれも
“正確さ”と“スピード”。
だからこそ、つい人間関係を
「業務のための連携」とだけ
捉えてしまうこともあります。
ですが、こうした現場でこそ、
実はとても大切なのが「雑談」です。
◆雑談=ムダ話ではない?
「雑談なんて仕事に関係ない」
「ムダな時間じゃないの?」
そんな声もあるかもしれません。
でも、応用言語学者で
“雑談研究の第一人者”とされる
清水崇文教授は、
「雑談には明確な役割がある」といいます。
それは
職場の人間関係を円滑にし、
信頼関係(ラポール)を築くための
土台になるということ。
雑談を通じて互いのことを
少しずつ知り、自己開示すること。
これが、チームに
「安心して話せる空気」を生み出します。
心理的安全性が高まることで、
「報・連・相」がしやすくなり、
会議で意見が出やすくなる。
結果として、現場全体の
生産性や創造性も上がっていくのです。
◆雑談が「ホーム感」を生む
清水教授によれば、
職場における雑談には
大きく5種類あるといいます。
メイン雑談(飲み会や休憩時の会話)
暇つぶし雑談(会議前など)
ワンクッション雑談(移動中や作業合間)
ながら雑談(作業中に手を動かしながら)
いきなり雑談(エレベーターでの偶然の遭遇など)
とくに建設現場では
「ながら雑談」や「ワンクッション雑談」が
多いのではないでしょうか。
このような雑談の積み重ねが、
「この現場、居心地がいいな」
「このチームで働きたい」という感覚
=ホーム感を生み出します。
これは、離職防止や若手の定着にも直結する
非常に重要な要素です。
◆雑談が苦手な人へ──「話し上手」じゃなくていい
「自分は話すのが得意じゃない」
「雑談は気まずくて…」
そんな方にこそ知っていただきたいのが、
雑談の極意は「聞き上手になること」
だということです。
相手の話に共感し、相づちを打つ
相手の言葉を繰り返す(オウム返し)
否定せずに、関心を持って聞く
これだけで、相手は
「もっと話したい」と感じてくれます。
話題に困ったときは、
「木戸に立ちかけし衣食住
(天気・趣味・健康・家族・仕事・食事など)」を
ヒントに話を広げてみましょう。
たとえば、
「今日、急に寒くなりましたね」
「この間の地震、大丈夫でしたか?」
「最近どんなラーメンが流行ってるんですかね?」
といった一言から、
会話は自然と始まっていきます。
◆“雑談のプロ”は現場にもいる
興味深いのは、
美容師さんやタクシードライバーが
「雑談のプロ」と言われること。
彼らは、初対面の相手に必ず
「今日はお休みですか?」などの
“キラークエスチョン”を投げかけます。
実は、現場の中にも、同じように
「自然に話しやすい人」がいるはずです。
そういう人たちは、以下のような特徴を持っています。
・自分ばかり話さず、相手の話に耳を傾ける
・雑談の中で相手の“反応”をキャッチして、話題を深掘りする
・空気を読んで、話題を横にも縦にも広げられる
こうした力は、
経験とちょっとした意識の積み重ねで
誰でも身につけられます。
◆雑談が育てるのは「強い現場力」
現場がうまく回るかどうかは、
技術力や工程表だけでは測れません。
・朝の雑談で、職長さんの顔色がよくないことに気づける
・若手が相談しやすい空気がある
・ちょっとした声かけで、緊張していた協力会社の作業員がリラックスできる
そんな現場は、
事故もトラブルも少ないものです。
雑談は、現場の「空気を良くするインフラ」と
言ってもいいかもしれません。
◆まとめ:雑談は“技術”である
雑談は、場の雰囲気をつくる「技術」です。
それは、コミュニケーションにおける
“土工事”のようなもの。
いきなり大きな構造物(信頼関係)を
築くことはできません。まずは、地ならしから。
だからこそ、若手にもベテランにも、
雑談という技術を磨いてほしい。
「話し上手でなくていい、聞き上手を目指そう」
──この一言を、今日のメッセージとしてお届けします。
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【編集後記】
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今年の連休は飛び石という方が多いようですが
中には11連休という方もいるようです。
また新入社員は連休明けに
会社に来にくくなる方もいます。
しっかりフォローしましょう。
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