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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年6月20日
NO2407
◆リベンジ退職が現場を崩壊させる。その兆候と対策とは
「現場を任せていた中堅社員が、繁忙期に突然辞めてしまった」
「退職後、SNSで会社の悪評を投稿された」
「引き継ぎを拒否されて、現場が混乱した」
こうした“リベンジ退職”の相談が、
建設業界でも増えてきました。
リベンジ退職とは、
会社や上司に不満を持った社員が、
意図的に会社へダメージを与えるような形で
辞めていく行為です。
中には、引き継ぎ拒否やSNSでの暴露、
さらには繁忙期を狙っての退職もあります。
現場は“人”が資産。
その人が仕返しのような辞め方をすると、
現場が一気に瓦解しかねません。
■実際に起きた「建設現場版・リベンジ退職」
ある建設会社では、30代の主力技術者が
年度末の公共工事のピーク時に退職。
しかも「この会社は将来性がない」と
取引先に吹聴し、大口契約を失いました。
また別の現場では、退職者が
「後任には何も教えない」と言い残して立ち去り
着工が2週間も遅れるトラブルに発展。
このように、個人の感情が
“現場全体の命運”を
左右することもあるのです。
■なぜ、リベンジ退職は起きるのか?
多くの場合、退職に至るまでに
以下のような“心のサイン”が
積み重なっています。
・頑張っても評価されない
・意見を言っても聞いてもらえない
・不満を口にしても「今は忙しい」の一言で済まされる
こうした小さな失望が蓄積し、
「最後に一泡吹かせてやろう」となるのです。
■現場の管理者に求められる“3つの予防策”
1) 心理的安全性の確保
「困っていることはないか」「最近どうだ?」
と定期的に声をかけること。
聞いた内容を小さくても
“すぐに改善”する姿勢が信頼を生みます。
2) 成果と評価をつなげる透明性
「誰がどんな成果を出しているのか」そして
「どう評価されるのか」が不透明だと、
不満が爆発します。
若手ほど「納得感のある評価」に敏感です。
3) 兆候を見逃さない観察眼
急に静かになる、残業を断るようになる、
逆に急に張り切りだす――
こうした変化に早めに気づき、
1対1での対話の場を設けましょう。
■退職は“その人の人生の節目”として尊重する
たとえ退職が避けられなくても、
送り出し方ひとつで、
会社への信頼は保たれます。
・退職の理由を静かに聴く
・次の職場で役立つアドバイスをする
・送別会を温かく開く
このような姿勢が、
会社の「人に対する品格」を示すことになります。
人手不足の今、退職者が
SNSや口コミサイトに書く“最後の印象”が、
次の採用に大きく影響することも忘れてはいけません。
■「仕返しされる会社」ではなく「また戻りたい会社」へ
退職は避けられないにせよ、
「辞めたけど、いい会社だった」
と思ってもらえるかどうか。
それは日々の関わり方次第です。
誰か一人の“感情の爆発”が、
現場の空気を壊すことがないよう、
日常の会話、評価、対応を見直したいものです。
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【編集後記】
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梅雨空と猛暑が交代に訪れるようになり
体調を維持することが難しい季節です。
こんなときこそ睡眠、休養、運動を
しっかり行いたいものです。
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社長ブログ