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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年5月26日
NO2396
◆建設会社で「静かな退職」を防ぐための3つの工夫
いま、建設業でも
「静かな退職(Quiet Quitting)」
という言葉が聞かれるようになってきました。
これは、
「辞めはしないけれど、必要最低限の仕事しかしない」
「やる気を持たず、淡々と仕事だけをこなす」
といった働き方のことです。
最近の調査では、20代の若手社員の間で
特にこの傾向が強まっているといいます。
なぜ、そんな状況が生まれてしまうのでしょうか。
その理由の一つに、
「自分の仕事が誰の役に立っているのかわからない」
「がんばっても評価されない」
という“無力感”があります。
◆自ら考える社員がいる会社の仕組み
そんな中、ある企業が注目を集めています。
半導体製造装置で世界的に知られるディスコです。
この会社では、「上司からの命令」ではなく、
社員一人ひとりが仕事に「値段をつけ」
「入札する」仕組みを導入しています。
社員は社内通貨を使い、
業務の依頼や、備品の利用に応じて
収支を記録します。
つまり、自分の働きが
どれだけの利益を生み出しているのかが、
数字で見えるのです。
この制度により、
自ら考えて動く社員が増えました。
もちろん、この制度を真似するのは
簡単ではありません。
しかし、「見える化」と「納得感」が
モチベーションを高めていることは事実です。
◆建設現場でこそ、必要な「貢献の見える化」
建設現場でも似た課題があります。
・協力会社や職人の「段取り力」が現場全体を支えているのに、表彰も感謝もない
・若手が頑張っても、「当たり前」とされて評価されない
・所長が四六時中現場に張り付き、安全を守っても「気づかれない」
これでは、誰だって
“静かに”やる気を失ってしまいます。
ディスコの事例が教えてくれるのは、
「誰が、どんな貢献をしたかを見える化し、
それを正当に評価すること」の重要性です。
◆建設現場に取り入れたい3つの工夫
ディスコのような
社内通貨制度までは導入できなくても、
建設現場で取り入れられることはたくさんあります。
1)感謝を可視化する
朝礼で「昨日、○○さんが資材のトラブルに
迅速に対応してくれたおかげで
段取り通り進みました」
と言うだけでも、現場の空気は変わります。
2)役割の選択肢を広げる
若手にも
「今日は安全KYのリーダーをやってみないか?」
と声をかけてみましょう。
自分の意思で仕事を選ぶ経験が、
やる気を引き出します。
3)小さな成功を数字で示す
「今週はヒヤリハットが0で終えられたのは、
こまめな声かけがあったから」
と振り返ることで、
自分たちの努力の成果を実感できます。
◆「働きがい」を意識する組織が生き残る
今後、若手社員はますます
「成長できるか」「評価されるか」に
敏感になっていきます。
昔のように、
「黙って現場を回していれば誰かが見てくれている」
という時代ではありません。
「静かな退職」が起きない現場づくりには、
期待し、認め合い、
成果を共有する仕組みが不可欠です。
ディスコの事例は、
建設業にとっても大きなヒントに
なるのではないでしょうか。
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【編集後記】
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私は万博に2回行きました。
あと3回は行こうと思います。
大屋根リングはすばらしいです。
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社長ブログ