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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年10月10日
NO2450
◆建設業の倒産、過去10年で最多ペース──私たちにできる“備え”とは
帝国データバンクの最新調査によると、
2025年上半期(1~6月)の建設業倒産件数は
986件にのぼり、前年同期比で7.5%増、
過去10年で最多のペースとなりました。
このままの推移なら、
通年で2000件突破の可能性もあるとのこと。
これは2013年以来、実に12年ぶりの水準です。
◆なぜ倒産が増えているのか?──3つの主因
1. 資材価格の高騰
鉄骨、木材、住設機器などの価格が急騰し、
売価に転嫁できず赤字化した企業が増加。
2. 人手不足の深刻化
若手の「なり手不足」
熟練職人の引退
残業時間の上限規制
求人難・人材流出
特に2025年は、団塊の世代の
完全引退が予測されており、
状況はさらに厳しくなる見通しです。
3. 中小企業の体力不足
「賃上げせねば人が来ない」
「でも、資金に余力がない」
──この板挟み状態が、
中小建設業を直撃しています。
◆「経営者だけの話」ではない
こうした倒産のニュースを聞いて、
「社長や経営層の話でしょ」
と他人事のように感じる若手も
いるかもしれません。
しかし実際には、
現場で働く一人ひとりの姿勢が、
“会社の生存力”を大きく左右するのです。
たとえば――
ムダを省き、1日1時間の
生産性向上ができるだけで、
粗利率が変わります。
品質トラブルを1件防ぐだけで、
数十万円の損失を防げます。
新しい工法を提案して採用されれば、
現場の信頼と利益が増えます。
◆生き残る建設会社の特徴とは?
これまでの事例を見ると、
倒産を免れている会社には共通点があります。
・技術の「見える化」ができている
・若手の育成と定着に投資している
・ICTやAIで省人化を図っている
・歩掛かりをもとに日々原価管理をしている
・取引先・協力会社との信頼関係が強い
これらはどれも、現場で働く私たちの
努力と工夫で達成できる項目ばかりです。
倒産は、どこか遠い話のようでいて、
実は私たちのすぐそばにある現実です。
私が以前に担当していた協力会社でも、
資材高騰と人手不足に耐えられず、
2024年に事業撤退した企業がありました。
腕のよい職人さんたちが
散り散りになった姿を見て、胸が痛みました。
◆「人ごと」ではなく「自分ごと」として、
1円でも無駄をなくす現場運営
後輩を1人でも多く育てるOJT
1歩でも進んだICT活用
これらを進めていくことが、
会社と業界を守る力になると信じています。
倒産のリスクが高まる今だからこそ、
「現場技術者としてできること」を
もう一度見直していきましょう。
社長ブログ