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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年11月19日
NO2465
◆工事現場で必要な建設業法、下請法のポイントを学べる解説セミナーを開催中です
◆建設業法改正による標準労務費の導入で建設費はどうなるのか
2025年12月に改正建設業法が全面施行されます。
今回の改正で大きく変わるのが、
「標準労務費」の導入です。
これは建設技能者の処遇改善を目的として、
著しく低い労務費での契約や、
見積もりの変更要求を禁止するものです。
国土交通省は全国10カ所で説明会を開催し、
全国の発注者や建設業団体へ
周知を進めています。
◆労務費は「交渉の武器」になる
「標準労務費」は、
公共工事設計労務単価×歩掛かりで
計算される目安値です。
これにより、元請けが適正な労務費
を見積もりに含め、それが下請け、協力会社、
そして技能者へと賃金として届くことを狙っています。
国交省の担当者は、
「これは価格交渉の“武器”になる」
と述べています。
建設会社が賃金の原資を確保するための
根拠資料となるからです。
当然のことながら、
処遇改善を図ることで
建設費が上昇する可能性もあります。
説明会では
「どれくらい上がるのか?」
という質問も出ましたが、
具体的な数字は出ていません。
むしろ「建設費上昇分は発注者だけでなく
市場全体で吸収すべき」との考えが示されました。
◆「総価一式」から「積み上げ方式」へ
今回の制度導入により、これまで慣例だった
「総価一式」の契約慣行も見直されます。
つまり、詳細設計が進んだ時点で、
労務費が当初の見積よりも増加していた場合には
内訳を明示して再交渉するようになるのです。
これからは、
「標準労務費+現場条件による補正」で
構成された積算が求められます。
このような制度変更に対応できる企業は、
受注競争で優位になります。
逆に、今までの慣行に頼ったままだと、
「建設Gメン」の指導対象になることも考えられます。
◆「技能者を大切にする企業」が評価される時代へ
今後、技能者が
適正な賃金を受け取れていない場合には、
公的窓口へ通報できる制度も
整備されていきます。
さらに、「技能者を大切にする企業」として
自主宣言した会社は、
公共工事の経営事項審査で加点される方針です。
これは、会社としての姿勢が
問われる時代が来るということです。