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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年10月22日
NO2454
◆工事現場で必要な建設業法、下請法のポイントを学べる解説セミナーを開催中です
◆建設費高騰にどう立ち向かうか─価格転嫁の「交渉力」を磨け
建設資材の価格高騰が続く中で、
「いかにして発注者にコストアップ分を説明し、理解を得るか?」
というテーマは、
もはや現場の死活問題となっています。
最近の日経アーキテクチュアによる調査では、
建築一式工事の完成工事高100億円以上の
建設会社のうち、約8割の企業が
「価格転嫁できた」と回答しています。
前年は5割にも満たなかったことを考えると、
大きな改善です。
この背景には、現場レベルでの努力と工夫、
そして改正建設業法の追い風があります。
◆「価格交渉の準備」は現場から始まっている
たとえば、清水建設では、
以下のような取り組みを行っています。
◎図面作成日の明記
見積書に「図面作成日」を明記することで、
その時点の資材価格を
根拠として提示できるようにしています。
→「この図面を基に見積もったときと今では
鉄筋単価がこれだけ違う」と具体的に説明できる。
◎建設費高騰リスクのチェックリスト整備
以下のような項目を明文化し、
発注者との協議の記録に残しています。
・納入が遅れそうな資材は?
・設計図書に不整合はないか?
・責任の所在は明確か?
これらは
「以前からやっていたこと」だそうですが、
「紙に書くこと」が大きな武器になっています。
◆改正建設業法が現場を助ける
2024年12月に施行された改正建設業法では、
次のようなポイントがあります。
◎受注者の義務
・資材価格の高騰リスクを事前に発注者へ通知する
→ 現場で気づいた段階で、すぐに社内で共有・記録することが重要です。
◎発注者の努力義務
・通知を受けた場合、発注者は契約変更の協議に応じる努力義務を負う
つまり、現場での情報収集と報告が、
価格交渉の第一歩になるのです。
◆若手技術者に伝えたい:「交渉力」は現場力でもある
若手の皆さんは、「交渉」と聞くと、
営業や上層部の仕事と思うかもしれません。
しかし、以下のような現場の行動が、
価格転嫁を成功に導きます。
・資材納入の遅延を早期に察知して報告
・施工手順に影響を与える設計ミスを記録し共有
・現場からの写真や日報で、「実情」を発注者に伝える
このような日々の積み重ねが、
「価格交渉の武器」になるのです。
◆結びに─記録を取る人が、現場を守る人になる
「言った・言わない」ではなく、
「書いた・残した」人が現場を守れる時代です。
価格交渉は、誠意と準備、
そして根拠の明示で成立します。
施工だけでなく、「見積もりと契約」の段階から
現場が関与することで、
損をしない仕事ができるようになります。
これからの若手技術者には、
「つくる力」だけでなく「守る力(交渉力)」も
求められています。
ぜひ今日から、ひとつでも
「記録に残す行動」を始めてみてください。
※参考:日経アーキテクチュア 2024年
経営動向調査、日本建設業連合会パンフレット、
清水建設の実務事例より
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【編集後記】
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