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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年7月25日
NO2420
◆“素人”を“玄人”に育てるためにはどうすればよいのか
建設現場で一人前になるには、
図面の読み方や測量の技術だけでは足りません。
「言われたことはできる」技術者は
たくさんいます。
しかし「信頼される技術者」になるには、
もう一段深い力が必要です。
この“目に見えない力”を、
伊與田覺先生は『玄徳(げんとく)』と呼びました。
◆101歳まで講義に立ち続けた学びの巨人
伊與田覺(いよた さとる)先生は、
論語を7歳から学び続け、
101歳で亡くなる直前まで
3時間の講義をされていた
“碩学(せきがく)中の碩学”です。
※碩学とは、学問が広く深いことをいいます。
著書『「人に長たる者」の人間学』では、
「人を育てるとはどういうことか」
「人としてどう生きるべきか」が、
建設技術にも通じる深さで語られています。
◆“玄徳”とは何か──コツは教えられないが、感じられる
伊與田先生は、こう述べています。
「玄徳とは、見えないけれども、確かな力を持つ“根”のようなもの」
植物の根は見えませんが、
土の中でその植物全体を支えています。
現場で言えば、「報連相が丁寧」「時間を守る」
「人の話をよく聴く」「後輩に自然に声をかける」
といった姿勢です。
つまり、「コツをつかんでいるかどうか」が、
玄徳なのです。
◆“素人”から“玄人”へ──若手技術者の成長を支える
どれほど多くの技術知識を持っていても、
それだけでは“玄人”とは言えません。
本当の玄人は、「経験からにじみ出る配慮」を
自然と身につけています。
上司や先輩が、この「玄徳」をどうやって
若手に育んでもらうか――
それが、技術継承の本質でもあります。
伊與田先生は
「教育とは“教える”よりも“育てる”ことだ」
と語りました。
部下や後輩がもともと持っている良さを
引き出すのが、育成の要なのです。
◆“見えない徳”を評価する文化を
現場で目立つのは、成果を出す人、
仕事が早い人かもしれません。
しかし、その陰には、見えない部分で支える
“玄徳の持ち主”がいるものです。
・書類の整理が完璧な人
・朝一番に現場にいて準備をしている人
・安全帯の声かけを欠かさない人
こうした「根」のような力を、
職場全体で評価できる文化を築きたいものです。
◆まとめ:玄徳ある現場をつくる3つのヒント
1. 教える前に、育てる姿勢を持つ
→若手の“持ち味”に注目する
2. 成果よりも“人間力”を評価する場を持つ
→日報や朝礼で「見えない努力」を拾い上げる
3. “玄人”とは何かを語る文化をつくる
→「あいつはコツをつかんできたな」と認め合う風土に
建設現場は“人をつくる現場”でもあります。
若手技術者が「玄人」へと育っていく土壌を、
私たち自身が耕していきましょう。
『「人に長たる者」の人間学』(致知出版社)を
一読されることを強くおすすめします。
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【編集後記】
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本日、ジャングリア沖縄がオープンしました。
ぜひ一度行ってみたいと思っています。
どんな施設か、楽しみです。
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社長ブログ