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社長ブログ

部下の「メンタル不調」を放置し6000万円支払った会社の末路【がんばれ建設2476】

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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年12月17日
NO2476


◆部下の「メンタル不調」を放置し6000万円支払った会社の末路

2024年度、精神障害に関する
労災補償の請求件数は
過去最多の3,780件に達しました。
わずか数年で約1.5倍という増加率は、
職場における“見えないリスク”が
確実に高まっていることを示しています。

建設現場においても、
若手や中堅社員のメンタル不調は
決して他人事ではありません。

■「申告がない=問題なし」は通用しない

ある企業で、10年以上勤めた社員が
うつ病を発症し、最終的に解雇されました。
しかし裁判所は、
「会社は異変に気づいていたにもかかわらず、
業務軽減等の配慮をしなかった」として、
会社に6,000万円超の賠償責任を命じました。

重要なのは、以下の2点です:

・本人の申告がなくても、
 管理職が異変に気づいていた時点で
 “配慮義務”が発生

・見て見ぬふりは、
 結果的に重大な法的責任につながる

■メンタル不調が「労災」となる基準とは?

厚労省が示す労災認定の要件は次の3つです:

1. 精神障害が発病していること
2. 発病前6カ月以内に業務による強い心理的負荷があること
3. 業務以外が原因ではないこと

【心理的負荷の例】

・月160時間を超える長時間労働
・ハラスメント被害(パワハラ・セクハラ)
・業務上の重大事故
・過大な責任の負担
・慢性的な業務プレッシャー

接待・会食・出張・社内ゴルフも
“業務の一環”として扱われ、
精神的負荷の評価対象になる点も要注意です。

■管理職が現場で取るべき3つの対応

1)「早期の声かけ」が最初の予防策
「最近、顔色がよくないけど大丈夫?」など、
さりげない一言で構いません。
“あなたの変化に気づいている”という姿勢を
見せることが、社員にとって大きな安心になります。

2)ルールに基づいた配慮を心がける
“腫物に触る”ような対応は逆効果です。
勤務時間の調整や業務量の見直しは、
就業規則など会社のルールに基づいて
公平に対応しましょう。

3)一人で判断せず、組織で対応
「このケース、自分で対応していいのか?」
と感じた時点で、人事・産業医・上司と
共有すべきタイミングです。
メンタル不調はセンシティブな問題。
“管理職が1人で抱える”ことこそが
最大のリスクです。

■現場を守るために必要な「ルール整備」

現場での柔軟な対応だけでは限界があります。
属人的な判断がトラブルを生むリスクを防ぐため
以下のような体制とルールを整えておくことが必要です。

▼ 健康管理体制
・定期健診の実施と記録管理
・残業時間・休日管理の徹底
・必要に応じた配置転換や業務軽減の仕組み

▼ 就業規則への明記ポイント
・欠勤時の「診断書」提出ルール
・休職制度の要件(期間・診断書・報告義務)
・復職判断基準と段階的な復職制度(短時間勤務など)

曖昧なルールは、
「解雇が不当」「対応が不公平」といった
紛争の火種になります。

■建設現場における実例:こんなケースが危ない

・突然ミスが増え、遅刻が多くなった部下に
 「もっと気合い入れろ!」と叱責

・明らかに元気がないが、
 「本人が何も言わないから」と様子見

・ハラスメントを訴えてきた社員に
 「それくらい我慢しろ」と返答

こうした対応が、訴訟や労災認定の
直接的な原因になる可能性があるのです。

【まとめ】メンタル不調への対応は“安全管理”の一部です

建設業界は「安全第一」が原則です。
それは転落・災害事故だけでなく、
心の安全管理にも同じことが言えます。

メンタル不調を放置しない。
気づいたら声をかける。迷ったら共有する。
これが、管理職としての最初の一歩です。


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【編集後記】
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寒い日が続きます。
日本海側の方々は、雪で工事が
たいへんなことと思います。
くれぐれもご安全に。

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