2011年11月14日 NO427 【月曜版】「効果の不確実な技術提案の書き方」
*************************************************************** ■〔1〕「効果の不確実な技術提案の書き方」 *************************************************************** お世話になっている皆様 いつもありがとうございます。 ハタ コンサルタント株式会社, 株式会社関西テクノファ 降籏です。 ■岐阜県大垣市の未来工業は 「改善提案」を活用して業績を伸ばしています。 未来工業は「常に考える」を会社の共通認識とし 商品の仕様を常に「改善」し、顧客のニーズに 合った商品づくりをしています。 その結果、コンセントボックスのシェアは 業界トップで、大手メーカーを引き離しています。 ■ハタ コンサルタント株式会社も 今年10月より「改善提案制度」を設立しました。 未来工業にならい、報奨金制度も設けました。 改善提案の月次報酬 (提案の質に応じて支払われる) 1級 95点以上 3万円 2級 85点以上 2万円 3級 75点以上 1万円 4級 65点以上 5千円 5級 55点以上 1千円 参加賞 500円 改善提案の年次報奨 (年間の提案件数に応じて支払われる) 20~29件 5千円 30~39件 1万円 40~49件 2万円 50~99件 3万円 100~149件 7万円 150~199件 11万円 200件以上 15万円 未来工業では200件以上提案を出す人が 複数人数いるというので驚きです。 ■さて月次報酬は「改善提案」の等級(質)に 応じて支払われます。 その判定は通常次の2つの要素を判断して 行います。 1 効果の大きさ(1~3点) 2 効果の確実性(1~3点) ■例えば、次のような事例があります。 コンセントボックスを壁に取り付ける時に 電気工がねじ止めします。 右手に、インパクトドライバー 左手に、コンセントボックスとねじを持ちます。 ところが、左手に持ったねじが不安定なため 落としてしまうことがあります。 そうすると作業性が低下するという問題がありました。 ■そこで、コンセントボックスに突起をつけ ねじが引っ掛かるようにしました。 その突起にねじをセットすると左手を 添える必要がないような「改善提案」を考案したのです。 この場合、 1 効果の大きさ(1~3点) →1日当たりのコンセントボックス 設置個数が増えるので、効果大 →3点 2 効果の確実性(1~3点) →コンセントボックスの突起に ねじをセットすると、確実に保持されるため 確実性大 → 3点 総合評価 3点×3点=9点 となります。 ■一方、次のような事例もあります。 資材の搬出入箇所で接触事故が頻発しました。 そこで、搬出入箇所の速度制限20?q/hとする という「改善提案」が提出されました。 この場合、 1 効果の大きさ(1~3点) →走行速度が落ちると 接触事故が減ることは予想されるが それだけでは事故0にはならないので、効果中 →2点 2 効果の確実性(1~3点) →速度20km/hが妥当なのか、10km/hが妥当なのかが不明で 確実性が不透明なので、確実性小 → 1点 総合評価 2点×1点=2点 となり、評価は低くなってしまいます。 ■では効果が不確実な提案は、却下してしまっていいのか 提案の確実性を増加させる方法はないのか と考えました。 そんな時に有効なのが、「PDCA提案」の手法です。 ■これは、PDCAサイクルを回してさらに改善を進め 確実性を増加させるというものです。 Pプラン計画 →搬出入箇所の制限速度 20km/h とする Dドゥ実施 →制限速度を関係者に周知させるため教育、看板設置する Cチェック点検 →速度計で速度を測定する →事故件数、ヒヤリハット件数を測定する Aアクト改善 →速度超過車にはイエローカード、再発車にはレッドカードをだす。 →事故、ヒヤリハットが減少しておれば制度継続 事故、ヒヤリハットが減少していなければ制度廃止 ■建設業の事例ですと、鉄筋かぶり確保の提案があります。 Pプラン計画 →鉄筋かぶり精度を規格値の85%とする Dドゥ実施 →スペーサーを基準の1.2倍の個数配置する Cチェック点検 →打設直前まで「鉄筋かぶり探査棒」で計測する Aアクト改善 →規定のかぶりが確保できていないときは、 コンクリート打設を中止する。 →スペーサー個数を、1.2倍から1.3倍に増やす ■PDCAの手法までを提案書で立案すれば、確実性がアップし 採用の道が開けます。 これは、建設工事の受注前の「技術提案」や 受注後の「創意工夫」でも活用できます。 確実性の低い提案は、「PDCA提案」で肉付けすると 評価がグッと上がります。 ぜひご活用ください。 ************************************************** [2]セミナー案内 ************************************************** ★「思うは招く」 ~夢があればなんでもできる~ 株式会社植松電機 専務取締役 植松 努 氏講演会 https://hata-web.com/wp/?p=741 人口1万2000人の北海道赤平市。 そこにある社員数10人の小さな会社「植松電機」が作った 全長5メートルのロケットが宇宙へ飛び立った。 本業は建設機械に取り付ける特殊マグネット装置の 製造、販売。 専務取締役を務める植松努氏は、 「『どうせ無理』、この言葉ほど人の心を、 特に子供の心を殺してしまう一言はない。 未来を担う子供たちのために『どうせ無理』を世の中からなくしたい」と話す。 自身の夢を込めたロケット事業。諦めなかった “ひたむきな心”が不可能を可能にした。 講師プロフィール 株式会社植松電機 専務取締役 植松 努 氏 1966(昭和41)年北海道芦別市生まれ。89年北見工大応用機械工学科卒業後、菱 友計算株式会社航空宇宙統括部に入社。94年5月同社を退社し、植松電機入社。 98年コンクリートリサイクルに関する特許を取得。99年株式会社法人へ改組とと もに専務取締役に就任。バッテリー式マグネットでトップシェアを獲得。2004年 宇宙開発事業に着手。06年民間宇宙開発企業のカイムスペースワークスを設立 し、代表取締役社長に就任。翌年全長5メートルのロケット打ち上げに成功した。 著書に『NASAより宇宙に近い町工場』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。 KKC12月例会 概要 日 程 2011年12月8日(木) 14:00~18:00 会 場 ウインクあいち[愛知県産業労働センター] 9階 901大会議室 (名古屋市中村区名駅4-4-38) *名古屋駅より徒歩5分 会場TEL.052-571-6131 対象者 経営者、後継経営者、将来経営者になる予定の方 費 用 5,000円(KKC会員は無料) お申し込みはこちら https://hata-web.com/wp/?p=741 ******************************************************* ■〔3〕【編集後記】 ******************************************************* きょうは、宮崎に来ています。 今夜、20年ぶりに友人に会いますので 楽しみです。 昨日、テレビでこんな場面を見ました。 釜石市在住の娘さんがお母さんに 「誕生日のお祝いに何が欲しい?」 そうすると、お母さんは 「お父さん。。。」 まだ、復興はこれからだと感じました。 ************************************************************** 【発行】ハタ コンサルタント株式会社 代表取締役 降籏 達生 【所在地】名古屋市中村区名駅4-2-28 名古屋第2埼玉ビル 【電話】052-533-9688 【FAX】052-533-9689 【ホームページ】https://hata-web.com/ 【作者に直接メールする】furuhata@hata-web.com ************************************************************** メールマガジン登録内容の変更はこちらhttps://f.msgs.jp/webapp/form/15463_tww_1/index.do?s=27 メールマガジン登録解除はこちらhttps://f.msgs.jp/webapp/form/15463_tww_5/index.do?s=27