社長ブログ

役員になれる人、社長になれる人【がんばれ建設】NO 1346【建設経営】

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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
作者;ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2019年6月27日

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今日の一言
「人たらし たれ」
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建設業で働く方々にとっては、現場で仕事をするのが好きで
一生現場でやり続けたいという方が多いことでしょう。
一方、中には社長や役員になりたいと思う成長意欲の高い人も
いることでしょう。

ではどういう人が建設業の役員や社長になれるのでしょうか。

【役員になれる人】

まず、「役員」になれる人です。

●ハードワーカーであること

役員になるためには、若いうちに上司から厳しく鍛えられている
ことが欠かせません。
その厳しさに耐えられたことも、役員として必要な資質でしょう。
その結果として、自らハードワーカーである人が多いです。

長時間労働がよいことだとは思いませんが、体力のある若い頃に
優秀な経営者や先輩、顧客などから鍛えられたり、ハードワーク
の場を与えられたりする経験はえがたいものです。

ハードワークにより、ビジネスパーソンに必要な「基礎力」で
ある、「思考力」と「実行力」が鍛えられるのは確かです。
そうした経験を「やらされる」苦痛ではなく、「やらせてもらえ
る」糧として生かすことができれば、それはいずれ血肉となり、
大きな収穫となるはずです。

私が20~30代のころに働いていた熊谷組の上司は、厳しく、
ハードワークの人が多かったです。
夕方指示されて、朝までに計算して図面にしろ、なんてことは
ざらにありました。
当時はパソコンもCADもなく、明け方までかかって必死に図面を
書いたことを覚えています。

しかしそのおかげで、今の自分があると思えば、ハードワークは
人生の飛躍のためには欠かせない能力だと思います。

●一歩踏み込む力が強い

与えられた仕事を一所懸命やるだけで満足するのではなく、何か
自分なりのプラスαができないか考えをめぐらします。
「これでいい」と考えずに、さらに一歩踏み込む。
それを徹底・習慣化しているのです。

現場で通常の施工方法ではなく、技術提案を考える人
いつもの業者ではなく、新たに協力業者を探し出そうとする人
もっと安く、もっと早く、もっと安全にできる方法はないかを
いつも考えている人
業務のICT化により効率化をいつも考えている人
多能工化ができないかを協力会社に求めている人

こういう人こそが役員になれるのです。

【社長になれる人】

社長になる人には、「役員になる人」の条件に加えて次の5つの
特徴があると思っています。

●一つ目は、「全体を見る力」

一部の部署や一部の人に偏ることなく、全社に目配せできること
が重要です。
そして部分最適ではなく、全体最適となるような意志決定が
できることが欠かせません。
例えば手当についても、現場勤務の人だけが有利であったり
逆に内勤者にメリットが偏っているようでは不公平感が
強まります。

「住宅手当を上げて欲しい」という声に対して、上げる、上げない
に対して全体最適となるような論理的な説明ができないといけま
せん。

●二つ目は「人間観」

人を見る目と、人の気持ちがわかることです。
組織のトップである経営者の最大の仕事は働く人をやる気にさせ
て、人を動かすことです。

例えば社員同士のもめ事があったときに、社長が客観的に判断して
どのように結論づけるかを、社員全員が見ています。
さらに建設業の社長は協力会社の社員に対しても、外注業者と
して見るだけでなく、人として対応することが欠かせません。

●三つ目は「衆知を集める」

多くの人の意見を素直に謙虚に聞くことができるかどうかです。
ただし、しっかり聞いた後は、決断をすることが大切です。
結論を出せないようでは、社長ではありません。
社長が下した結論に対して、皆が納得するかどうかは
以下の5つのポイントが必要です。

1)高い専門性(すごい)
建設技術・技能、もしくはマーケティング、経営力等のの高い
専門性をもっており、周りの人たちから「すごい」と思われて
いること

2)返報性(ありがたい)
困っているときに相談に乗ってもらったり、手伝ってもらうなど
「ありがたい」と思われていること

3)魅了性(すてき)
身だしなみが清潔であったり、愚痴や不平不満を言わず、いつも
前向きな行動や言動をしているなど「すてき」と思われていること

4)厳格性(こわい)
ルールを守らなかったり、道理に反する行動や言動をして
いると、きちんと叱ってくれるなど「こわい」を感じること

5)一貫性(ぶれない)
話す内容に一貫性があり、状況や事情や環境が変わっていても
「ぶれない」こと。

●四つ目は「決めたことは徹底してやる、やらせる」

中途半端にせず、やると決めたら率先垂範して徹底してやること。
さらに社員や協力会社に対して、徹底してやらせることです。
期首に方針を決めたらやりきる姿を見せないと、企業の成長は
ありません。

例えば、働き方改革や業務のICT化、人手不足対策など
困難な課題に対しても方針を決め、投資を厭わずやりきることが
大切です。

●五つ目は「素直である」

人の上に立つ人ほど、素直で謙虚でなければなりません。
自分の人間としての基本的な考え方やバックボーンを持ちながら
も、もしかしたらそれが間違っているかもしれないと思って、
素直に謙虚に、検証・反省をしていける人がトップにふさわしい
です。
それこそが人間的魅力であり、人間力です。
誰もがつい引き込まれる「人たらし」であることも重要です。

社長や役員は血族関係の人がなるものだから、俺には関係ない、と
思っている方もいることでしょう。
しかし私がこれまで出会った建設会社の中には、突然社員の中から
経営者を指名せざるを得ない状況になることが少なからず
ありました。

その時に誰もが認める役員、社長候補がいない会社は業績が
落ちます。
そのため、常日頃かいつ役員、社長に指名されてもいいように
工事現場のことだけでなく、ここまで書いてきたことを意識して
仕事を進める必要があると思います。

2019.6.25 小宮 一慶著 PRESIDENT Online
を一部参考にしました。

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【編集後記】
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昨日より工事部課長育成3ヶ月コース東京が始まりました。
今回は、北は北海道から、南は沖縄まで、多くの方が
参集されました。
一流の工事部課長になられますよう、一所懸命に取り組みます。