入社3年目の社員が必要な「つ」【がんばれ建設】NO 1352【人材育成】
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【入社3年目の社員が必要な「つ」】
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一通りの仕事を覚え、仕事に対する自立した姿勢が求められる
ようになるのが入社3年目です。
入社1~2年目とは違い、若手社員として自分の仕事に対する
判断も責任も、ある程度上司から本人に移行します。
これまでのように、逐一、上司への確認を取らなくても、自分の
判断で仕事を進められるようになるため、本人の仕事の処理速度
は上がります。
ですが、その一方で
・仕事の進め方が自己流になる、
・コミュニケーション量が減り周囲との人間関係が希薄になる、
・仕事の成果を「自分の実力」と勘違いする、
・仕事が惰性になって新鮮味や丁寧さに欠けた怠慢が生まれる、
などの独特な課題が出はじめてくるのも入社3年目特有の課題です。
そんな入社3年目の社員が本当の意味で一人前となるために
必要な「3つの『つ』」についてお話します。
1.詰め
2.繋がり
3.積み重ね
●仕事は「九十九里をもって半ばとせよ」
まず「詰め」です。
中国の史書『戦国策』には、
「百里の道を往く者は九十九里をもって半ばとせよ」
という有名な言葉があります。
「物事の達成は最後の部分に困難があるから、九割がた達成して
いても油断するのではなく、最後の最後まで気を引き締めて
丁寧にやり遂げなさい」という意味の言葉です。
仕事がある程度できるようになると、仕事の途中で結末が見える
ようになります。
「今までこの方法でやってきたから大丈夫」と。
すると最後の「詰め」が甘くなりミスをするのです。
・チェック不足で図面の数値が異なる
・最後の確認不足で測量ミスをする
・前日に電話をしておかなかったため、資材が届かない
・書類のチェックをしないまま提出し、誤字脱字を指摘される
特に最近は「効率化」を求めるという理由のもと「手抜き」を
する人が増えています。
「効率化」とは仕事の品質を落とさず短時間で仕事をすることで
すが、時間短縮を求めるばかりに仕事の品質を落とす「手抜き」
をしてしまうのです。
ですから、若手には「効率化」という言葉は不要だと思います。
効率化と手抜きの罠が一番生まれやすいのが仕事の詰めの部分
なのです。
仕事のメドが立ち詰めに入る部分は、ゴールが一番よく見えます。
そこに油断が生まれやすいのです。
登山でも九合目は怪我をしやすいと言われていますが、仕事でも
何でも最後の最後まで丁寧にやり切るという態度が一人前と
半人前の差と言えるでしょう。
●仕事の成果は多くの人の助けによって生まれている
2番目の「つ」は、「繋がり」です。
入社3年目になり一通りの仕事を自分でこなせるようになると、
自分の実力を過信しやすくなります。
よい仕事の成果を出せるようになっても、それが自分の実力に
よるものであると勘違いをしてしまうのです。
その結果、
・先輩や上司の確認を得ずに先走って仕事をしてしまいミスをする
・目上の人に乱暴な言葉遣いで話し怒らせてしまう
・現場の職人への尊敬の念が薄れ、信頼関係がなくなる
多くの人との「繋がり」の中で、今の自分があり、今ここで
仕事ができているということを自覚し、感謝することが
大切です。
そして、改めて自分はまだ発展途上であり、多くの人から
学んでいる立場であることを意識する必要があるでしょう。
●小さなことの積み重ねこそが、ただ一つの道
3番目の「つ」は「積み重ね」です。
仕事ができるようになると、目先の成績や成果に執着が生まれる
ようになります。
しかし、長い職業人生の中でいくらよい成果を上げたとしても、
それが単発であればあまり大きな意味を持ちません。
偶然、運に恵まれていただけかもしれないからです。
仕事で求められるのは、よい成果を上げることではなく、よい
成果を上げ続けることです。
逆境や不況があっても、一定の品質を守り抜ける仕事をすること
です。
・身の回りの整理整頓
・車や道具の手入れや清掃
・資格試験の勉強をして毎年1つの資格取得する
・毎日1ページ以上の本を読む
そこに近道などはありません。
地道で丁寧な積み重ねがあるだけです。
よい成果を上げ続ける、強くたくましく発展し続ける、そのため
には地道な積み重ねが重要なのです。
入社3年目こそ、一流に進むか、二流、三流となってしまうかの
分岐点です
仕事ができる様になっただけではまだまだ半人前、
「詰め・繋がり・積み重ね」という3つの「つ」が丁寧に継続
できるようになって、はじめて一流への道を歩み始めることが
できるのです。
PHP 延堂溝壑氏の「入社3年目の社員に伝えておきたい
「3つの『つ』」を一部参考にしました。
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【編集後記】
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現在「建設業の働き方改革」書籍の編集、校正を行っています。
お役に立てる本とするよう、がんばります。