横並び経営より逆張り経営【がんばれ建設】NO 1362【建設経営】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
作者;ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2019年7月23日
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今日の一言
「世の中の流れに逆らえ」
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現在業績好調の会社は、2008年から2012年にかけて、新卒採用
している会社が多いです。
2008年はリーマンショックが起こり、世の中が大不況期に
なりました。
リストラで社員を減らしたり、仕事がないために、休日を
増やしたりしていた時期です。
そんな中では、通常は新卒採用はしないものです。
しかし、「そんな時に新卒採用してこそ、いい人材が採れる」
と考えた経営者は、大量の新卒採用をしました。
現在、リーマンショックから11年経ち、そのころ採用した学生は
20歳代後半から30歳代前半になっています。
現場代理人として活躍する年齢です。
また若い後輩のよき先輩になって人材育成しています。
何より彼らは不況期に採用してもらったということで、会社に
強い愛社精神を持っていますので、あまり辞めていませんし
部下にもそのことを伝えますので、部下も辞めません。
また2018年当時の高校の採用担当の先生は、不況期に採用して
くれたという感謝の気持ちを持っていますので、現在のように
売り手市場になっても優先してその建設会社によい学生を紹介
しています。
これらの結果、会社によい循環が生じ、業績がよいのです。
国土交通省は、2016年を「生産性革命元年」と位置づけ、
調査・測量、設計、施工、検査及び維持管理・更新のあらゆる
プロセスにICTを取り入れることで生産性を向上する
「i-Construction」を推進しました。
MGマシンガイダンス、MCマシンコントロール、ドローンなどを
用いた施工を推進しました。
しかし当時の多くの建設会社は、様子見でした。
「ICT重機やドローンを導入してもその費用を回収できない」
「社員にICTを勉強させる余裕がない」
「そのうち下火になるだろう」
一方、いち早くICTを取り入れる建設会社もありました。
MG、MC、ドローンに加えて、3Dレーザースキャナーを購入して
いる会社もあります。
3Dレーザースキャナーは種類にもよりますが1000万円近くします
ので費用負担は相当なものです。
しかしICT活用のメリットは大きいのです。
施工者希望1型工事では、ICTを活用することで総合評価において
加点評価される
工事成績評定 創意工夫にて、加点評価される
ICTを活用する建設会社に魅力を感じ、若手が入社しやすい
ICTの得意な若手社員が活躍し定着率が上がる
ICTを勉強することで、人材育成につながる
生産性が向上することで残業が減り休日が増えている
早期にICTを導入した会社こそが、このメリットを享受して
います。
2019年4月より在留資格「特定技能1号」「特定技能2号」制度が
創設され、多くの建設会社が外国人雇用に興味を持つようになり
ました。
一方、採用しても早期に辞めてしまう、日本での生活になじめない
などという問題も発生しています。
一方、2014年に始まった「外国人建設就労者受入事業」が始まって
すぐに外国人を雇用した建設会社は、すでに外国人が会社の戦力
になっており、「特定技能1号」「特定技能2号」への進展も
今後考えやすくなっています。
「技能実習生」とは違って、長期にわたって会社の力になる
可能性を秘めています。
私はこの3事例を「逆張り経営」と呼んでいます。
リーマンショックで採用できない、ICTは様子見だ、外国人を
雇用するのは不安だ
という世間のことばの逆を行き、不況時に採用、ICTの早期活用
外国人の雇用に踏み切っているのです。
建設業界はどちらかというと横並び経営でした。
しかしこれからは世の中の流れの逆を行く、逆張り経営が欠かせ
ないと思います。
私は今後も逆張り経営する建設会社を応援し続けます。
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【編集後記】
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私は関西生まれ、育ちなので、吉本興業の笑いにずっと
接してきました。
それだけに今回の騒動はとても寂しく情けない思いです。
一日でも早く心からのお笑いを提供する会社によみがえって
欲しいと念じます。