社長ブログ

大人になるとビールが苦くなくなる【がんばれ建設】NO 1381【人材育成】

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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
作者;ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2019年8月26日

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今日の一言
「可動域を広げる」
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子供のころは、甘い物が好きで、苦い物や渋い物は、嫌いだと
いうことが多いです。

子どもは渋いお茶を好みませんが、しかし大人になると、あの
渋みがいいと感じます。
あるいはわさびや唐辛子、タバスコなどの辛みも同様でしょう。
つまり大人になると、甘み以外を受け入れることで、味覚の範囲
が格段に広がります。

子供のころおいしいと思えなかったコーヒーを大人になると
飲むようになりますし、最初は苦かったビールがおいしく感じる
ようになるものです。

これは人生でも同じことが言えます。
若いころは甘い、つまり楽なことの方が心地よいのですが
大人になると苦しかったことが自分の真の成長につながることを
実感します。

だから大人は、楽と苦があればあえて苦の方に向かおうとする
のです。

戦国時代の武将・山中鹿介は、「願わくば、我に七難八苦を与え
たまえ」という有名な言葉を残しています。
七難八苦を与えられたとき、それを乗り越える工夫をすることで
自分の可動域が広がります。

それこそ喜びであるということです。
だとすれば、年齢を重ねるほど相応の経験も増えるので、可動域
も広がるはずです。
しかも判断力もある程度備わっているので、むしろ安心して
広げられます。

建設工事では想定外のことが起こります。

台風や地震の襲来
近隣住民や顧客とのもめごと
現場でミスをして手直しとなる
これらを多く経験すると「可動域」が広がり、少々のことでは
驚かなくなります。

つかり工事現場をうまく運営するためには、できるだけ多くの
苦難を乗り越え、自らの可動域を広げる必要があります。

伊藤肇氏の『帝王学ノート』( PHP文庫)の中にこんな文章が
あります。

『安岡先生から「茶は三煎して味わう」と教えられた。
浄境に栽培された芽茶(めちゃ)に 最初はややぬるめの湯をかけ
て、 芽茶のもつ甘さを味わう。
この甘いという味は、味の初歩的なもので、 幼児にも未開人にも
よくわかる。
だから、人間も未熟なうちは 「あいつはまだ甘い」ということに
なる。

次の第二煎は、 少し熱くした湯でタンニンのもつ渋さを味わう。
この渋いという味は甘さよりは一歩進んでおり、 人間も中年近く
なってやっと、「渋い魅力がでてきた」といわれるようになる。

第三煎は熱湯を注いで、 カフェインのもつほろ苦さを味わう。
この苦いという味は、人生も五十をすぎないと、 ちょっとわかっ
てこない。
蕗(ふき)のトウで酒を楽しむ年代である。

ところが、この茶の心得のない人間は、 せっかくの芽茶にいきな
り熱湯をかけるから、 甘さも、渋さも苦さもごちゃごちゃに出て
しまって、 風味もあらばこそ、 単にニガニガしい味になって
しまう。
すなわち、メチャクチャ(芽茶苦茶)の語源である。

青年とは、ある意味において、「甘さ」の段階しかわからない
連中のことだ。
当然、「甘さ」を基盤にして勝手なことをいうが、 これを
「渋さ」も「苦さ」も十分しっている大人が叱ろうとしない。
変にものわかりのいいオジさんになっているところに 現代社会の
大きな欠陥がある。
青年とおとなとは厳しさを通じて 結びつかなければならない。』

新人や若手はどうしても甘さ、楽を求めたがるものです。
大人でも、楽が好きな人は多くいます。

それに対して、変に「ものわかりがよい」対応をするのではなく
きちんと叱って、渋さ、苦さの大切さを伝えることが必要なの
でしょう。

『可動域を広げよ』齋藤孝著(日経新聞出版社)を一部参考に
しました。

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【編集後記】
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24時間テレビを観ていると、障がいある方がかなり多い
ことに気づきます。
建設業界も障がい者に優しい業界になれるようにしたい
ものです。