社長ブログ

採用基準を下げると会社はどうなるのか【がんばれ建設】NO 1389【人材採用】

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
作者;ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2019年9月5日

**************************************************
今日の一言
「価値観を考えよ」
*************************************************

「入れてから育てる」という発想を持つ採用担当者や経営者は
多いのですが、限界があります。
採用の失敗は、売り上げの減少のみならず、組織全体の疲弊や
その後の会社の行方も大きく左右する問題なのです。

採用の重要エッセンスの1つに、「採用基準」というものが
あります。

採用基準を間違えてしまうと、会社に付加価値を生み出すどころ
か、負債を生み出すリスクが高くなってしまいます。
ただ、組織の事情を考えると、「基準を落としてでも人材を獲得
しなければならない」、そんな企業が多いのが現実なのでしょう。

しかし、「採用するうえで、いちばんやってはいけないこととは
何か?」と尋ねられたら、「採用基準を下げること」です。

採用基準を下げたとしても、自社がお客様に提供する価値基準を
引き下げるわけにはいかないからです。

そして、もしこれまでより低い基準で採用した場合には、これ
まで以上に教育とマネジメントが必要になります。
採用基準を下げて採用した人材は、「人手」であり、「人財」
ではありません。

休日を増やさないと採用できないからといって、年間休日数を
増やすと、休むことが好きな人が応募してきます。
仕事が楽なことや人間関係がよいことばかりを協調すると
一人現場でたいへんなことがあったとき、乗り越えられない人を
採用してしまうことになります。

では、ここからは正しい採用基準の設定方法のポイントを解説
していきます。
人材の素質を見抜くポイントは、次の2つです。

○先天的・後天的能力
○価値観

能力が先天的なものか、後天的なものかをしっかり見極めること
です。
「後天的能力」は、採用してからでも教育すれば引き上げられる
能力なので、採用基準から外してOKです。
「先天的能力」は教育してもなかなか変化させることが難しい
能力なので、採用基準に盛り込む必要があります。

その理由と根拠を、脳の取扱説明書ともいわれる実践心理学NLP
(神経言語プログラミング)を使って詳しく解説します。

NLPでは人間の意識レベルを5つの階層に分類しています。

1)自己認識(アイデンティティー)
2)信念・価値観
3)能力
4)行動
5)環境

それぞれの階層は、例えば以下のように表現できます。

1)自己認識(アイデンティティー)は、「私は~である」
2)信念・価値観は、「私は~という考え方を大事にしている」
3)能力は、「私は~することができる」
4)行動は、「私はいつも~している」
5)環境は、「私は~に所属している」

それぞれのレベルは互いに影響し合い、各階層に変化があると、
ほかの階層にも変化が現れます。
その中でも、とくに変化させるのが難しいのは、
1)「アイデンティティー」と2)「信念・価値観」です。
人そのものや価値観を外的な力で変えるのは非常に困難を伴う
ものです。

入社後の教育により、引き上げられる代表的な能力は、
「コミュニケーション能力」です。
ところが、多くの企業で、コミュニケーション能力の高い人材が
人気を集めています。

では、コミュニケーション能力は引き上げられない能力でしょうか?
答えはNOです。
いくら話すのが苦手な人でも、それはコミュニケーションを
うまく取る方法を知らないだけの場合が多いものです。
コミュニケーション能力は、採用後でも教育次第で引き上げられ
る能力なので、採用基準からは外すべきなのです。
コミュニケーション能力に限らず、後天的に伸ばせる能力は、
今すぐに採用基準から外すべきです。

いい人材を集める会社の採用基準には、先天的能力に値する
「自己認識(アイデンティティー)」「信念・価値観」を重要視
したものを盛り込んでいます。
つまり、「価値観」のマッチングです。

生まれて数十年もの年月を経て、身に付けてきたものが
「自分は何者か」というアイデンティティーであり、
「大切にしている」信念、価値観です。
これらは、簡単に変えられるものではありません。
採用基準の設定においても、「性格のマッチング」
「価値観のマッチング」は、非常に重要なファクターの1つです。

会社にも性格というものがあります。
企業規模や給料などが「外見」の情報とするならば、経営理念、
ミッション、ビジョン、そしてどんな社員がどんな理由で働いて
いるのかといった情報は、その会社の「性格」を表します。
まさに、これまでに事業を展開してきた歴史の中で大切にして
きた考え方、価値観です。
こういった自社の価値観に合う人材かどうかは、外せない採用
基準といえます。

では仕事に関する価値観とは何でしょうか。
大きく、以下の9項目があります。

●自分がどういう姿勢で働くか

仕事に対する価値観として、まずはどういう姿勢で働くかを考え
ることが大切です。

1)仕事を通して成長したい

2)昇給・昇進を目指す

3)プライベートを重視

●何のために働くのか

1)お金を稼ぐ

2)スキルアップ

3)社会貢献

●仕事や会社に何を求めるのか

1)能力を活かせる環境

2)人間関係のよい職場環境

3)チャレンジできる環境

まずは自社はそれぞれどのような価値観を持っているのか。
どのような価値観を持っている人を採用したいのかを明確に
する必要があります。
その上で、面談や筆記試験にてこれらの価値観を確かめるのです。

『いい人財が集まる会社の採用の思考法』酒井利昌著を
一部参考にしました

*************************************************
【編集後記】
*************************************************

昨日は生まれ育った神戸にいました。
永年過ごした街なので、懐かしい香りしました。
やはりふるさとはいいものです。