社長ブログ

年上の部下を使いこなすコツ【がんばれ建設】NO 1390【組織運営】

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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
作者;ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2019年9月6日

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今日の一言
「弟型リーダーシップ」
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任天堂元社長の岩田聡さんは、2015年55歳の若さで亡くなられ
ました。
糸井重里さんは、岩田さんの11歳年長ですが、友人であり
頼りになる弟のような存在だったと語っています。

糸井重里さんは、岩田さんの語録を書籍「岩田さん」にまとめ
ました。
それを読み解きながら、「年上の部下を使いこなすコツ」を
考えてみます。

岩田さんが任天堂社長になったのは42歳。

リーダーでありつつ、弟という役回りもこなしていました。
自分を後回しにして皆に配慮し、命令や号令ではなく『こういう
のはどうでしょう』と提案する。
『弟型リーダー』であり、『部下(のような)社長』だったと
言えます。

では岩田さんは、なぜ年長の部下を動かし、大きな成果を上げら
れたのでしょうか。

最大の理由は人としての態度や姿勢です。
ひるまないし、逃げない。
逃げた方が合理的でも、逃げれば一生後悔するから逃げない。
火中の栗を笑って拾いに行くような姿勢を、社員も投資家も
全員が見ていました。

背景には岩田さんの仕事観、会社観がありました。
仕事とは社員、取引先、顧客など皆がハッピーになるためにある
と語り、そのための努力やコミュニケーションには骨身を惜しま
ないのです。

半年に1回、90人ほどの社員とじっくり面談していました。
経営が厳しい時だからこそ社員の本音に耳を傾けるのは
『俺は逃げないぞ』という姿勢の表明でもあります。
しかも社員に『もっと頑張れ』と言うのではなく、改善点などを
『教えて下さい』という姿勢でした。

会社とは持ち味の違う普通の人の集まりであり、1人では達成でき
ない目的を達成するためにあるというのが持論でした。
自分は立場上、社長や上司であるだけで、社員一人ひとりを
『自分にはできないことをできる専門家』として尊敬して
いました。

気配りや尊敬をもって部下に接するのは組織運営の効率が落ち
そうですが、『命令できない』という弟としての制約にはいい面
もあります。
『とにかく俺の言う通りにやれ』と言えないぶん、ロジカル
(論理的)に説明せざるをえないのです。

話し方も、『俺のために頑張れ』ではなく、『こうすれば、
あなた(=部下)自身にとっていい結果になるはずです』という
具合。
命令ではなくお願いや助言です。
やがて、岩田さんのアドバイス通りにやっていると物事がうまく
いくと皆が自然に理解します。
自分は前に出ないまま組織が機能し、誰も嫌な思いをしないのです。
これが弟型リーダーシップです。

建設業の後継経営者に中には、年上の部下がいる人が多いでしょう。
岩田さんの弟型リーダーシップから学ぶことがたくさんありそうです。