社長ブログ

育成なくして指導なし【がんばれ建設】NO 1392【人材育成】

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
作者;ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2019年9月10日

**************************************************
今日の一言
「コップを上に向けることが大切」
*************************************************

「育成なくして指導なし、人を育てるより人が育つ土壌を作れ」
という言葉があります。

まずは人をやる気にさせて、その次に知識や手法を身に付け
させるという意味です。
そうすると、伝えたことがその人の力に変わってくるのです。
逆に、やる気のない人にいくら知識や手法を与えても、馬の耳に
念仏となります。

これは、コップと水の関係に例えられます。
初めに、やる気にさせるためにコップを上に向けます。
次にそのコップに水である知識や経験を注ぐのです。
そうすると水がたまります。
これで、その人に知識や経験を身に付けさせることができたと
いうことになります。

一方、そのコップが下を向いていると、いくら水を注いでも
コップに水はたまりません。
つまり、やる気のない人に知識や経験を身に付けさせようとしても
決して身に付かないのです。
まずはコップを上に向けること(これを育成という)、そして
そのコップに水を注ぐこと(これを指導という)が必要です。
「育成なくして指導なし」なのです。

次に、「人が育つ土壌」とはどういうことか考えてみましょう。

4月に建設会社に新入社員としてA君が入社したと仮定します。
入社して半年ほどたった頃に、A君は高校時代の友人と会いました。
その友人はA君に対して、「君は随分成長したな。どんな教育を
受けたんだい」と尋ねると、A君は「いやあ、僕は現場に行って
先輩の言うことを聞き、先輩のまねをしているだけだよ」と
答えました。

友人は「それだけでそんなに成長するのなら、君はいい会社に
入ったな」とA君に言いました。
A君は現場でどのように育ったのでしょうか。

例えば、このようなことが想定されます。
お昼休みに先輩と一緒に弁当を食べた後、先輩は本を開き、
勉強をしていました。
A君はその様子を見て、「僕も昼休みに勉強しよう」と思い立つ。
そして、本を買ってきて昼休みの30分間、それを読むようにし
ました。

さらに、先輩は、現場へ出掛けるときや帰宅時には机の上を必ず
整理・整頓して出掛ける。
A君も同じように、現場に出たり、家に帰るときには机の上を
きれいにして出掛けるようにしました。

また、先輩は車を週に1度は洗車して、車中に余分な物は入れず、
きれいな状態で乗っている。
A君も先輩を見習って車を洗車し、きれいな状態で運転するよう
心掛けました。

こんなふうに、日常的に学ぶ習慣を身に付け、常に身の回りの
整理・整頓を進め、車や道具などの物を大事にする。
これこそが、社会人としての成長なのです。
社会人として成長するうえで、先輩の行動や言動をまね、それが
自分に身に付いたとしたら、その会社には「人が育つ土壌」が
あるといえるのです。

一方、先輩社員が一切部下の前で学ぶ行為を取らず、机の上は
散らかり放題、車は汚れ放題だとすれば、どうでしょうか。
きっと部下も同じように行動や言動をまねるに違いない。
先輩社員や上司が模範的な態度を取り、後輩社員や部下がそれを
見てまねることで、プラスの考え方が身に付き人は育つのです。

人を育てるには、次の3つの要素が重要です。
「やる気」「やり方」「やる場」です。
「やる気」を出すための手法が「育成」で、「やり方」を教育する
ための手法が「指導」に当たります。
さらに、人が育つ職場環境である「やる場」を用意しなければ
なりません。

人材育成の仕組みを作るためには、教育形態の構築が欠かせません。
教育体系とはいかにして社員のやる気を高め、やり方を教え、
やる場を作るかという仕組みです。
一方、日々の仕事に追われて教育体系構築にじっくり取り組め
ないという方も多いことでしょう。
社内でできない場合は、外部研修を利用するとよいでしょう。

*************************************************
【編集後記】
*************************************************

今週末、サッカーの試合に出ます。
学生時代の先輩に勧められ、20年ぶりにボールを蹴ります。
不安と楽しみが入り交じっていますが、楽しんでやろうと思います。