社長ブログ

建設業の倒産は増えるのか【がんばれ建設】NO 1406【倒産防止】

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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
作者;ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2019年10月3日

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今日の一言
「人手不足対策が重要課題」
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建設業者の倒産件数(負債1000万円以上の法的整理)は2009年以降
18年まで10年連続で減っています。

しかし、同業他社との競争が激化するなか、人手不足や建設資材の高騰など採算が悪化しています。
加えて東京オリンピックや災害復興事業が減る地域では、今後
売上げが減少することが想定されます。

ヨシケン(東京・千代田)は、07年9月の設立で、東京都内を中心に
神奈川や埼玉など関東圏を営業エリアに、同業者からの下請け受注
により営業してきました。
マンションの新築や改修工事などを主体に、建築工事以外にも建物
の解体や舗装工事などを手がけていました。

15年3月に同社代表が自身の持ち株を他社に売却したのをきっかけに
親会社が主体となって経営改革に着手。
手始めに、外部から有能な営業担当者を招いた後、積極的な営業
活動に伴って受注増に対応するため、人員の採用を強化しました。

こうした効果により受注が大きく伸び、16年3月期に年間の売上高
約3億300万円だったものが、18年3月期には年間の売上高は
約10億8600万円にまで拡大していました。

しかし、19年3月期以降、一部現場で大幅な赤字工事となり資金繰り
が悪化。
また、別の現場では同社が下請けに工事を依頼していたものの、
工期が大きく遅延したため、施主から遅延損害金を主張され、
同社に支払われるべき請負代金が減額となりました。

それどころか、下請け企業の工事が不十分だったため、同社が
手直し工事を行うこととなり、手元資金が減少し、資金繰りが
さらに苦しくなりました。

このため、今年4月以降、下請け業者に対する支払いの遅れが散発。
下請け業者に協力を仰ぎ、支払いを待ってもらいながら何とか工事
を続けてきましたが、ついに下請け業者からの訴えにより、同社が
施主に対して有する工事請負代金に対し仮差し押さえ命令が発令
される事態が発生し、下請け業者に対する支払いが困難となりました。

かすかな望みをかけて、金融機関に対し追加支援や資金支援先を
探したものの奏功せず、万策尽き、負債8億3100万円を抱え、
6月25日に自己破産を申請することとなりました。

キュージーエス(東京・渋谷)は、12年9月に個人創業、15年4月に
法人改組しました。
1都3県を営業エリアに、元請けを中心とした受注形態でマンション
や投資用不動産などの鉄筋工事を主体に型枠、コンクリート打設工事
などを手がけ、順調に実績を積み重ねました。
2018年3月期には年間の売上高で約6億7900万円を計上していました。

しかし、発注者との間で工事請負契約書や注文書などを厳密な書面
の形で締結せず、請負金額や請負業務の範囲があいまいなまま
請負業務をスタートさせた案件がありました。

追加工事が発生しても、発注者から追加報酬がもらえず、そのため
下請け業者に追加工事分の報酬を支払えない事態が発生。
資金繰りの悪化から、昨年の秋以降、支払いの遅延情報が多数寄せ
られることとなりました。

こうして工事現場がストップし、工事遅延に伴う遅延損害金の支払
債務が増大するという負のスパイラルに陥りました。
資金繰りがつかず、事業継続が困難となり、負債約8億2700万円を
抱え、6月28日に自己破産を申請することとなりました。

これら2つの倒産事例から学べることは何でしょうか。

・急激な成長による資金繰り悪化
・人手不足による工期遅延に伴う遅延損害金
・品質不良による手直し費用
・発注者との契約書不備による追加費用未回収

とりわけ全国の人手不足感不足は、正社員で63.7%、非正社員で33.0%
となっています。
人手不足の影響による労務費・外注費の増加に加えて、建設資材費
の上昇もあり、採算が悪化しています。

人手不足を解決するためには、働きがいのある会社をつくり
新規採用数、定着率を増加させる必要があります。

9月24日に新刊書籍
「建設版働き方改革実践マニュアル」(日経BP)を著作しました。

建設会社でいかにして、働きやすさを増し、やりがいを高めることで
働きがいを高める方法を解説しています。
以下よりご覧下さい。

https://hata-web.sakura.ne.jp/ec/html/products/detail/132

日本経済新聞 2019/8/20 記事を参考にしました

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【編集後記】
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東京パラリンピックチケットに当選しました。
パラバスケットボールの試合の観戦は初めてです。