建設会社の仕事は今後どうなるのか【がんばれ建設】NO 1413【建設経営】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
作者;ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2019年10月15日
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今日の一言
「研究開発投資」
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台風10号により、被害を受けた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
また災害復旧のため不眠不休でがんばっておられる建設関係の
皆様。
くれぐれも二次被害なきようお気をつけください。
さて、社員目前に迫った東京五輪関係の事業をはじめ、近年は十分な
工事量を獲得してきた建設会社が好況に沸いています。
2020年の東京五輪が終わった後も、大阪・関西万博、リニア中央
新幹線といった巨大事業が見えており、工事量の急減はないと
見込む建設会社は少なくありません。
例えば清水建設は、洋上風力発電の建設に活用するSEP船の建造に
約500億円を投じます。
同社は洋上風力関連事業で年間500億円の売り上げを確保していく
考えを示しました。
10年後の他社との競争を見据え、勝負に出たのです。
研究開発への投資も活発になってきています。
最大手の建設会社だけでなく、準大手クラスの建設会社も研究
開発費を着実に増やしているのです。
最大手4社は売上高に対する研究開発費の比率が右肩上がりを続けて
います。
19年3月期の決算では1%に迫る水準にまで達しました。
大手や準大手の建設会社が研究開発で注力している分野の1つが
ロボットです。
建設現場の技能者の高齢化などを受けて、苦渋作業を軽減したり、
省力化を図ったりできる自動化技術などに力を入れているのです。
維持・補修に関連した事業も、建設会社にとって魅力的な市場
となってきています。
特に高速道路会社が発注する床版の取り換え工事は、比較的規模の
大きい建設会社の受注を支えています。
海外の事業では、アフリカが新たな市場として浮上してきました。
国土交通省は、2019年のインフラシステム海外展開行動計画に
おいて、今後3、4年に注視すべきプロジェクトを選定しましたが、
そのうち15%ほどはアフリカの案件でした。
人手不足が建設会社にもたらした変化は、研究開発への投資だけ
ではありません。
国土交通省は、2023年度までに建設分野で4万人の外国人技能者を
受け入れる計画を立てました。
建設業界で働く外国人は、技能実習生、外国人建設就労者、
特定技能という区分で整理されています。
このうち、特定技能は19年4月に施行した改正入国管理法で創設した
在留資格です。
特定技能の資格を持つ労働者は、技能実習生と異なり、一定以上の
能力が保証されています。
現場で即戦力として期待できる人材です。
そのため、賃金を同レベルの技能を持つ日本人と同等以上に設定
するなど、一定の待遇で迎えることが要件となっています。
外国人で人手不足を補おうとしても、その会社で働く日本人の
就労条件自体が悪いと、外国人労働者に見向きもされなくなるかも
しれません。
そのためにも働き方を改革することは欠かせません。
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【編集後記】
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国が来春の運用開始を目指し、今月1日に貯水試験を始めた
八ッ場ダム(群馬県長野原町)の水位が、台風19号による大雨で
急上昇しました。
国土交通省関東地方整備局の速報によると、13日午前5時現在の
水位は標高573・2メートルとなり、満水時の水位
(標高583メートル)まで10メートルほどに迫りました。
本来は最高水位に達するまで3~4か月かかると見込んでいたよう
でした。
八ッ場ダムが少しでも洪水被害を抑制できていたとしたら
地元の方々、そして工事関係者のご苦労が報いられてように
おもいます。