熊本城の外観が完成【がんばれ建設】NO 1416【建設技術】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
作者;ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2019年10月18日
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今日の一言
「日本の復旧技術」
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昨日 BS1スペシャル「密着ドキュメント よみがえる熊本城」という
番組を観ました。
3年前の熊本地震で熊本城は壊滅的な被害を受けました。
石垣は至る所で崩れ落ち、重要文化財も大きく損壊しました。
しかし、熊本のシンボルでもある熊本城をなんとかよみがえらせ
ようと、復旧プロジェクトがスタートしました。
そしてこの10月、熊本城復旧は天守閣の外観完成という大きな節目
を迎えました。
番組では、大工や石工が苦労して復旧する様子が描かれていました。
改めて、日本の建設技術、技能の高さを思い知りました。
城内の建物は石垣で上部構造を支えていたのに対して、大天守だけ
は石垣ではなく全長47.5mの杭で上部構造を支えています。
通常、倒壊した建物は石垣を修復してから再建する必要がありますが
大天守の杭には損傷がなかったので上部構造と石垣を同時に補修
できました。
復旧工事では石垣を積み直したり、外壁や瓦を直したりした他、
ブレースや耐震壁などによる耐震補強、屋根の軽量化といった
安全対策を施しました。
足場は石垣工事用の構台の上に、大天守の形に合わせて3層に独立
させて組みました。
各層の作業を同時に進めるためです。
大天守の中層階から張り出した屋根の補修作業では、足場を何度も
盛り替える必要があります。
屋根を境に足場の縁を切っておけば、上層での作業を邪魔せずに
下層の足場を移動できます。
大天守の6階と3階に鉄骨を挿入して井桁状に組み、上の2層の足場を
それぞれ支えています。
鉄骨は大天守のスラブで支持しました。
現在、公開中ですので、復旧された熊本城を観ることと同時に
工事にかかわった技術者、技能者の技を確認したいと思います。
2019/10/04 日経 xTECH記事を一部参考にしました
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【編集後記】
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今日から全国的に雨模様のようです。
被災地で作業する皆様、くれぐれも土砂崩れ等の2次災害に
巻き込まれないよう、祈っております。