AIが施工ミスを見つける【がんばれ建設】NO 1425【建設技術】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
作者;ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2019年11月6日
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今日の一言
「AIに負けるな」
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施工管理業務は、現場で多くの判断をする必要があります。
特に優秀な施工管理技術者は、着工前にあらかじめ品質や安全のリスク
を予想し、予防手段を実施します。
また現場に行くと、施工ミスや危険個所にに早期に気づき、早めに
手直しをさせます。
一方、現場で問題を発生させる施工管理技術者は、リスクの予防も
できないし、現場のミスを早期に見つけることもできません。
その結果、問題が大きくなってから大騒ぎするのです。
リスクを予知し、問題を早期発見する施工管理技術者の仕事を
人工知能(AI)を活用し、管理を支援する技術が登場しています。
今回2つの技術を紹介しましょう。
●施工ミスをAIが予測する
AIを活用し、様々なシステムの開発を進めるオートデスク。
サービスの肝となるのが、「Construction IQ(コンストラクション・
アイキュー)」と呼ぶAIによって、品質や安全に関するリスクを容易に
特定する機能です。
現場の技術者が当日の作業をスマホやタブレット端末で入力すると、
AIが事故や施工ミス、遅延が発生しやすい作業などを提示します。
さらにそれらを、作業員の安全性に関する項目やプロジェクトの品質に
関する項目などに分類します。
施工管理技術者は、当日の作業のリスクをスマホやタブレット端末で
確認できます。
AIは、協力会社の実績を総合的に判断し、当日の作業のリスクを表示
するのです。
AIが提示した結果を参考に作業計画を立てられるため、事故の発生や
作業の遅延、工事の手戻りを減らすことができます。
作業後、現場の技術者はその日の報告書をクラウド上にアップロード
すると、AIは日々蓄積される情報を学びレベルアップさせます。
AIが提示するのは、危険性の高い作業だけではなく、業務の質が悪い
協力会社も特定できます。
過去の膨大なデータから、下請けの施工ミスの回数や、その後の対応、
レスポンスの速さなどを踏まえて、業務の質を判定するのです。
「作業員がヘルメットを着用していなかった」、「機器設置の際に
安全性の確保を怠った」といった建設現場の作業員の行為も評価に
加味します。
●部材の施工箇所をAI瞬時に示す
建物の規模に比例して、ダクトや配管などの部材の数は増えます。
現場では、紙の図面や電子機器に取り込んだデータと実際の状況を
照らし合わせ、部材の施工箇所が適切かをその都度確認しなければ
なりません。
現場の負担を軽減し、誤設置などによる工程の遅延リスクを下げられ
ないか。
ダイダン(大阪市)は早稲田大学建築学科の石田航星講師と共同で、
部材に取り付けたID(部材ID)をカメラの映像から自動認識するAIを
開発しています。
作業員が部材IDをカメラで撮影すると、AIが自動で文字列を認識。
部材の施工箇所や形状を記録した属性データと照合します。
この属性データを基に、ダクトなどの施工箇所を3次元モデル上に
瞬時に示します。
施工管理技術者が行う業務をAIが支援することで、リスクアセスメント
や現場検査業務時間を短縮することができます。
働き方改革に悩む建設会社にはありがたい製品です。
日経アーキテクチャー 10月23日記事を一部参考にしました
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【編集後記】
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建設業のことを、図解で一般の方々に紹介する書籍を現在執筆中です。
一人でも多くの方に建設に興味関心を持ってもらいたいと思ってします。
細かい表現をどうするかで苦労していますが生みの苦しみですね。