ハラスメント規制法とは【がんばれ建設】NO 1437【法規制】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
作者;ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2019年11月22日
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今日の一言
「ハラスメント研修 努力義務」
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建設業は他の業種に比べ、荒っぽい業界ですからパワハラ的な言動は
多く見受けられます。
また今後女性が業界に多数入職するようになると、セクハラも
心配されるところです。
2019年5月29日、参議院本会議で「女性の職業生活における活躍の推進
に関する法律等の一部を改正する法律案」(以下ハラスメント規制法)
が可決され、同法が成立しました。
施行時期は、早ければ大企業が2020年4月、中小企業が
2022年4月と報じられています。
この法律は、我が国で初めてパワーハラスメントについて規定し、
その防止をするための措置を講じる義務を企業に課したものです。
またセクハラについても新たな規制を課しています。
●パワハラの定義
法律でパワハラが定義されました
「職場において行われる」
「優越的な関係を背景とした言動」
「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」
です。
事業主の責務が定められています。
●事業主の責務1-体制の整備
(1)当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な
体制の整備
(2)雇用管理上必要な措置
をとることを義務付けています。
●事業主の責務2-パワハラを受けたものへの配慮
パワハラを受けた労働者が相談したり、その相談対応に協力した労働者
に対して、そうしたことを理由に企業は解雇その他の不利益処分をして
はならない、ということを定めています。
パワハラを相談した人に「男らしくない」などと悪いレッテルを貼っては
いけないということです。
●事業主の責務3-ハラスメント研修の実施
労働者が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施
やその他の配慮をすることが求められています。
最近ハタ コンサルタント株式会社にも「ハラスメント研修」のご依頼
が増えているのは、この法律制定の背景があるようです。
次に労働者の責務も定めています。
●労働者の責務
労働者の側も、パワハラについて関心・理解を深めて、他の労働者に
対する言動に注意しなさい、と定めています。
自分や周囲の人のふるまいに問題がないのか、常に意識をする必要が
あります。
●紛争解決のための「調停」の導入
こうした措置義務を新設したことに加えて、パワハラ問題でも、紛争
解決のための調停が使えるようになったことも大きな改正点です。
労働者個人と使用者との間の紛争である個別労使紛争においては、
行政機関の手続としては、現在、労働局で助言・指導が行われたり、
「あっせん」という紛争解決手続が行われています。
これは、「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」を根拠に 行われているのですが、これの特例が定められました。
その結果として、パワハラに関する紛争については、こちらの法律に
基づくことになり、助言・指導にとどまらず、勧告までできることに
なり、「あっせん」ではなく「調停」が行われることになりました。
同じような手続きは、セクハラやマタハラの場合にも規定されています。
働きやすい職場を作ることで、社員の定着率が高まります。
まずは法律の理解を進めることから始めましょう。
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【編集後記】
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建設業を紹介する本の執筆が佳境になってきました。
どう表現すると建設業に興味、関心を持ってもらえるのか
最近はそればかり考えています。