社長ブログ

「なぜもっと早く相談しないんだ」と言わなくてもよい方法【がんばれ建設】NO 1441【コミュニケーション】

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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
作者;ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2019年11月29日

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今日の一言
「若手に必要な相談力」
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「なぜもっと早く相談しないんだ」
と、上司が部下の若手社員に話すことがあるでしょう。

上司に相談しないまま問題を抱え込み、なんともならずに現場が
停滞してしまい、そのあげくに若手社員が辞めてしまう。。。
そんな状況をよく見かけます。

一方、若手社員のなかには相談するのが得意でない人がいます。
忙しそうにしている上司に相談すると、イヤな顔をされるのではと
思ったり、実際に「後にしてくれ」と言われたり、そうした経験が
重なることによって苦手意識をもってしまいます。

どのように相談するのかがわからないことから、相談する前に
あきらめている人もいるかもしれません。
もごもごしていると「いったい何が言いたいんだ」などと
言われてしまいます。

そんなときは上司が部下に「相談力」を教えるべきです。

●何を相談し、何を得たいのかを考えさせる

相談する前に、何を相談するのかをまとめます。

1)テーマは何か?
2)何について相談したいのか?
3)得たいものは何か?

例えば
1)現場施工方法
2)掘削をしたら水がでた。どうすればよいか。
3)もっとも費用がかからず、すぐにできる解決方法

というように望んでいるものを整理して把握し、内容に応じて、誰に相談するか検討しなければなりません。

若手社員に「相談力」をつけさせるには、相談内容を自分で理解し、
論点をまとめ、さらに目的まで考えておく習慣を身につけさせる
ことが重要です。

●相談する相手を選ぶ

次に「誰に相談するのか」を考えます。
適切な人に相談することで、問題解決に近づくことができます。
誰に相談するのかを判断するには、相談しようとしている問題に
「どの部署の(もしくはどの会社の)誰が関わっているのか」を明確に
しておかなければなりません。

先ほどの事例だと、開削工法の経験者、土質工学に詳しい人
井戸の専門家、ポンプ業者等になるでしょう。

●相談するタイミングと場所について

いつ、どこで相談するのかを考えるのも重要です。
若手社員の場合、経験不足などが原因で空気が読めず、時と場所とを
わきまえずに相談しようとする人もいます。

それでは相談される側に迷惑がかかり、問題解決から遠ざかることも
あり得ます。

相談したい相手の様子を見て、相談のために時間をとってほしいと
依頼しましょう。
その際、何についてどのくらいの時間をいつまでにとってほしいかも
あわせて伝えます。
緊急であるとか、ごく近い時期に返事がほしいなどの情報を伝え、
相談のための時間と場所をつくってもらうのです。

率直に意見を言うには、周りのことを気にせず話し合える場所が必要
です。
静かで邪魔が入らない会議室のような場所が一番よいでしょう。

たとえば
「ちょっといいですか」
ではなく
「30分ほど、会議室でお時間いただけませんか」
という方がよいでしょう。

●上手に相談する話の組み立て方を教える

実際に相談するときには、どういうふうに話を組み立てて伝えるのかが
非常に重要になります。
せっかく相談に乗ってもらっているのに、要領を得ない話をしてしま
ったら、相手に真意が伝わらず、解決できるものも解決できなくなる
可能性があるからです。

そのためには「DESC(デスク)」手法がよいでしょう。
「DESC」とは、

「describe」(事実を描写する)
「express,explain,empathize」(自分の意見を表現、説明する、共感する)
「specify」(解決策を提案する)
「choose」(他の選択肢を提案する)

の頭文字をとった略称です。

D=describe(事実を描写する)

問題があると感じ、相談したいと思っている事柄を、「事実に基づいて
説明」します。

例えば
「3m掘り進んだ段階で、毎分50リットルの湧水がでました」
というようにできるだけ数値で説明することが重要です。

E=express,explain,empathize(表現、説明、共感する)

次に、問題があると感じている事柄に対して、「自分自身が思っている
こと、意見」を表現し説明します。

このとき、「みんな困っています」「みんなそう思っています」という
のではなく、「私」を主語にして、「私はこう思っている」という
ように「私メッセージ」で伝えることが大切です。

さらに、その問題の原因をつくった人物の立場に立って、「(その人は
問題を起こしたけれども、ある面では)共感できる部分もある」という
言葉を添えるとよいでしょう。

例えば
「私は、地下水位が土質柱状図よりも高かったのだと思います」
もしくは
「土質柱状図では地下水位が低かったけれど、この付近は地層が
湾曲しているので、○○さんが地下水位を見誤ったのは、私はやむを
得ないと思います」」

のようです。

S=specify(解決策を提案する)

問題を相談相手に丸投げして、ただ解決方法を考えてもらうだけでは
不十分です。
その問題について、「具体的で、現実的な、小さな行動変容を明確に
提案すること」がポイントになります。

例えば
「ウェルポイントを●本打設するのが良いと思います」
のようです。

C=choose(他の選択肢を提案する)

その提案が必ずしも認められるわけではありません。
保留されたり、止めておこうといわれたりする可能性は十分にあります。
そのため相手が方法を選択できるように、第二、第三の提案を用意して
おくことも必要です。

たとえば
(ウェルポイントはお金がかかるからダメと言われることを想定して)
「ウェルポイントがダメなら●インチのポンプを●台増設するのは
どうでしょうか」
のようです。

相談がうまくできない若手社員に対して、このような方法を提示し
ながら指導を行えば、着実に「相談力」を伸ばせます。
「相談力」が伸びれば、現場の問題が減り、若手に自信がみなぎり
定着率が向上することでしょう。

PHP11月14日記事森末祐二著を一部参考にしました。

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【編集後記】
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昨日と、今日は、専門工事会社の若手研修を行っています。
18歳から30歳までの若い技術者、技能者が一所懸命に学んでいます。
私も若い彼ら彼女らから、多くを学んでいます。