社長ブログ

「CIM活用 待ったなし」【がんばれ建設】NO 1444【建設技術】

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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
作者;ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2019年12月4日

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今日の一言
「CIM導入は人材育成」
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2025年にはCIMが原則となります。
3次元データの活用が当たり前になるでしょう

CIM時代の到来に向けて、先進各社は実践を始めています。
2社の事例を紹介します。

●幅1.5mの歩道建設にICT建機-0.1m3バックホー

 幅がわずか1.5mの歩道でのICT施工に挑戦したのは、広島県三次市の
加藤組です。
排土板付きの0.1m3バックホーにマシンガイダンス(MG)のシステムを
搭載し、舗装前の敷きならしに利用しました。
幅1.5mに対応した小規模のICT建機は市販されていないので、日立建機
のグループ会社の協力を得て、独自に製作しました。

ICT活用に指定した工事では、システムの導入などに要した費用を
発注者が一部負担する仕組みを活用しました。

位置の計測にはトータルステーション(TS)を採用しました。
通常はGNSS(衛星を用いた測位システムの総称)を使いますが、建機が
小さく、設置する2つのアンテナの離隔が確保できませんでした。

現場が狭いので、TS本体は道路の反対側に置きました。
そのため、大型車が道路を通ると、TSがミニショベル上のターゲットを
見失うというトラブルもあったそうです。

 MGの導入に要した費用の一部は発注者に負担してもらえましたが、
目先だけ見たら大赤字だったそうです。
 しかし、次のステップに行くための実証実験と位置付け、3次元データ
の扱い方など、多くのことを学べたというメリットがありました。

●災害復旧のり面施工のICT化

 2016年の熊本地震で崩壊した阿蘇大橋地区の斜面対策工事に、新開発
の「のり面CIM」を導入したのが熊谷組です。
斜面対策工事へのCIM導入は全国でも珍しい事例です。

のり面アンカーを打つ全ての箇所で探針棒を使って岩盤の深さを確認し
各アンカーの種類や長さを決める必要がありました。

 阿蘇大橋地区の施工面積は約4万4000m2。
ここに2m間隔で約1万3000本のアンカーを施工するものです。
膨大な量のデータを管理するため、手作業ではむつかしく、
斜面対策に特化したCIMを開発しました。

現場でアンカーの長さや角度、施工日といったデータをエクセルで入力
し、そのデータをCIMに反映させます。
CIMの導入で、岩盤の境界面を3次元空間で確認でき、異常値の発見が
容易になりました。
境界面の位置が1カ所だけ飛び抜けていれば、計測時の不備などが
疑われるのです。

本工事では全てのアンカーの施工状況をデータとして残すことができます。
CIMでモデル化していれば、変状発生時に過去の状況と簡単に比較でき
直ちに応急対応ができます。

今後の維持管理業務にもCIMデータが活用できます。

この2事例のように、今後の工事において、CIMの活用を積極的に
進めるべきでしょう。
先行投資になるかもしれませんが、自社の技術力向上と
社員の人材育成につながります。

日経コンストラクション6月24日記事を一部参考にしました。

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【編集後記】
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昨日、今日は技術提案セミナーを実施しました。
九州から東京まで多くの技術者が参加されました。
たくさんの提案書添削をして、私自身大いに勉強になりました。