社長ブログ

新型IoTで火災から作業員の命を守れ【がんばれ建設】NO 1454【最新技術】

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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
作者;ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2019年12月20日

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今日の一言
「火災は顧客への背信行為」
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東京都多摩市のビル建設現場で2017年7月、5人が火災で死亡しました。
その後、その建設会社と現場責任者ら6人が書類送検しされました。
6人の内訳は元請社員3人と、協力会社社員3人です。

ビルの地下3階でガスバーナーを使って鉄骨を解体していました。
その際、火災を防ぐために燃えやすいウレタンを階下から除去して
不燃材を火元周辺に置いたり、消火器を適切に配置したりするなどの
安全管理対策を怠ったという疑いでした。
現場責任者は作業の危険性を認識していたにもかかわらず、指導監督を
怠っていたとされています。

現場での火災は、人の命を奪うと同時に、発注者への背信行為とも
言えるでしょう。
通常は火災が起きた建設物を受け取りたくありません。

さて、竹中工務店(上記の建設会社とは関係ありません)とKDDI、
消火器メーカー大手のヤマトプロテック(東京都港区)は火災報知器を
無線で集中管理して、建設現場の火災発生時に場内スピーカーから
全作業員へ一斉に火災発生を通知できるシステムを開発しました。

火災報知器の発報から避難開始までの時間を短くして、作業員の安全を
守るシステムです。
2019年9月13日に、実用化に向けた実証実験を兼ねた避難訓練を
竹中工務店の建設現場で実施しました。

 システムの名称は「建設現場向けIoT火災報知システム」です。
竹中工務店のIoT分電盤、KDDIのIoT(インターネット・オブ・シングズ)
デバイスとクラウド、ヤマトプロテックの火災報知器などで構成します。
IoT分電盤は仮設の電源線でネットワークにつながり、設置するだけで
建設現場のWi-Fiスポットとして使えます。
建設現場の躯体工事が完成した段階で仮設として導入し、内装仕上げが
完成する段階までをめどに運用します。

 火災発生から避難開始までの流れは、まず火災報知器と組み合わ
せたIoTデバイスを通じて、火災発生の情報がクラウドに送られます。
次にクラウドに集めた情報を基に避難経路が自動で選択されます。
最後に個人のメールやIoT分電盤のWi-Fiにつながった場内スピーカーを
通じて、作業員などに火災発生と避難経路を知らせて避難を促します。

 3社が開発したシステムを使うと火災報知器を無線で集中管理して、
場内スピーカーから全作業員へ一斉に火災発生の通知を届けられるため、
素早く避難できます。
避難訓練では発報から避難開始までの時間は0分、避難終了までは5分で
済みました。
火災の通知は広範囲に届きます。
地上30階以上や地下など電波の届きにくい作業場でも通知を受けとれます。
現場にいない作業員や内勤の事務職員にも火災発生を通知できるため、
現場に人がいない夜間にも有効です。

IoTやICTを活用して現場の安全を守りたいものです。

参考ウェブサイト: https://www.takenaka.co.jp/news/2019/11/01/index.html

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【編集後記】
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本日は、働き方改革セミナーを開催しています。
部課長や作業所長が、若手社員にいかに前向きに働いてもらうかに
ついて学ばれています。
働きやすくやりがいのある建設業界にするため、がんばります。