青学 原監督は強いチームをどう作ったのか【がんばれ建設NO1469】
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がんばれ建設
作者;ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年1月20日
NO 1469
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今日の一言
「土を耕そう」
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96回目を迎えたお正月恒例の箱根駅伝。
青山学院大学陸上競技部(以下、青学陸上競技部)が2年
ぶり5度目の総合優勝に輝きました。
かつては箱根駅伝の予選会さえ通過できない弱小チーム
をここまでに強くし、さらに勝ち続ける集団へと育てて
きたのが、原晋監督です。
原監督は、「監督が指示を出さなくても部員それぞれが
やるべきことを考えて、実行できるチーム」であり
「指示待ち集団ではなく、「考える」
集団」にすべきだと言います。
では建設会社で社員が自分で考えて現場運営するように
なるためにはどうすればよいのでしょうか。
●部員を「相談できる人」に育てる
原監督は、部員を「相談できる人」に育てよ、といっています。
これは、社員が上司に相談できる人になってほしいとい
う要望と一致しています。
ではそうすれば相談できる人に育てることができるのでしょうか。
社員が「現場がうまくいっていません」と言ってきたと
するとこれは相談ではなく報告です。
そのとき上司は次のように問いかけるでしょう。
「それで? 」
「いつから、どこがうまくいっていないの」
「コンクリート打設まであと何日? 1カ月? 」
「打設まで1カ月なら、どうすれば打設に間に合わせることができるの? 」
「やれる方法は、A・B・Cがあるけど、どの方法がいいと思う? 」
と具体的にしていきます。
そして、
「今回はAの工法で工程を間に合わせたいとにしたいと
考えていますが部長はどう思いますか?」
と自分で答えを出すところまで求めます。
そして、それが本当の相談であると社員に話します。
●土を耕す時間こそ重要
自分で考えて解決策を立てることができるようになれば
ベストです。
しかし現実にはなかなかそのレベルには到達しません。
特にそれまで上司の指示で仕事をしてきた人が、いきなり
「自分で考えよ」
と言われても考えが浮かばないものです。
そこは、じっくりと土を耕す時間を与える必要があるで
しょう。
時間を与えるとか、勉強会を催すとか、協力会社に問い
合わさせるとかをさせます。
そして何より、「とにかく間に合わせろ」などのように
結果だけを求めていては人は育ちません。
強い組織をつくりたいなら、まず環境づくりなのです。
●すべての現場から等距離に
組織に考える習慣が浸透してくると、個々に考えるだけ
ではなく自主的に話し合いをするようになります。
考えることは、縦のつながりも横のつながりも生み出します。
組織がここまで成熟すると、社長や部長の立ち位置は変わってきます。
成熟するまでは何かと教える立場ですが、成熟したチーム
の社長や部長は変化を感じ取るのが主な仕事になります。
そのため、社長や部長の定位置は、すべての現場から
等距離がいいでしょう。
一つの現場にのめり込んでしまうと、他の現場のことに
気が回らななってしまうからです。
この3つができていると、自分で考え、自分で問題解決
し、そしていざというときには、迅速に本社が支援し
対応できるようになります。
『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝
優勝に導いた47の言葉』原 晋著(アスコム)を 一部参考にしました。
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【編集後記】
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3月3日(火)~3月6日(金)建築建材展に出展することに なりました。
現在社内で企画を練っているところです。
東京ビックサイトにて開催されますので
ご来場される方、ぜひブースを覗いてください。