「Aさんは現場を転々としている」は褒め言葉か 【がんばれ建設1473】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年1月24日
NO.1473
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今日の一言
「マイナスとプラスを混ぜない」
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このところ、技術提案書の添削や、研修依頼
が増えています。
発注者に評価される提案書を作るために
どうすればよいか、多くの建設会社で
悩んでいるようです。
その一つのポイントが、読みやすくわかり
やすい日本語で書くことです。
多くの文章を読んでいてひっかかることが
よくあります。
たとえば、「あわや工期短縮」という表現です。
「あわや」は危うくという意味で-
(マイナス)の意味につながる言葉です。
そこに工期短縮のような+(プラス)
言葉を続けると違和感があるのです。
つまりマイナス言葉にはマイナス言葉を
つなげなければなりません。
たとえば
「あわや事故になるところだった」
のようです。
逆にプラス言葉にはプラス言葉をつなげます。
「現場利益は○%を上回る勢い」
はよいのですが
「現場の赤字は○円を上回る勢い」
はだめです。
「勢い」は「望ましい事態」について述べ
るプラス言葉ですから、「利益」と一緒に
使うのはよいですが、「赤字」と一緒には
使いません。
「現場の赤字は○円に及ぶ懸念」
のように使うべきです。
また「圧倒的」「完璧」「見事に」という
「プラス言葉」を「マイナス言葉」と一緒に
使ってはいけません。
「雨の勢いは圧倒的で、堤防を完璧に破壊しました」
などと言おうものなら批判殺到でしょう。
しかし実際に、これに似た表現で、提案書
が書かれていることも多いのです。
「転々と」という言葉には、マイナスの
意味が感じられます。
ですから
「Aさんは現場を転々としている」
と書くと、Aさんは現場で失敗ばかりして
いるので、あちこちにたらい回しにされて
いるという意味にとられます。
「Aさんは現場を転々として、ついに転職
してしまった」
あまり望ましくない内容ですが、表現は正しいです。
プラスの意味で書きたいのなら
「Aさんは全国の現場を股にかけて活躍している」
がいいいでしょう。
マイナス言葉にはマイナス言葉を
プラス言葉にはプラス言葉を続けることを
理解しておきましょう。
日本経済新聞 梶原しげる氏の記事を一部参考にしました。
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【編集後記】
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今日、あすは日本海を転々とします、いや
日本海を股にかけて研修します。
雪ではなく雨のようです。