なぜ秀吉は天下をとれたのか~筆まめの極意【がんばれ建設1478】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年1月31日
NO.1478
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今日の一言
「協力会社にお礼の手紙を書こう」
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歴史ドラマを見ていると、よく文(手紙)が登場します。
電話もメールもない時代ですから、手紙が唯一の連絡手段だったのでしょう。
織田信長や豊臣秀吉、西郷隆盛、坂本龍馬など、歴史に名を残した人たちは、
何かにつけて手紙を活用しています。
なかでも豊臣秀吉は、常日頃から相手を気遣う手紙を方々に送っています。
そのおかげで「本能寺の変」の後、いち早く明智光秀を倒し、
天下統一を果たすことができました。
秀吉は、対面でのコミュニケーション力が高く、「人たらし」といわれますが、
実は、文章の達人でもありました。
では、なぜ秀吉は積極的に手紙を活用したのでしょうか。
文章で人の心をつかむには、「相手目線で書くこと」が重要です。
それは、秀吉の文章を読んでも感じます。
彼の文章は、「相手を感動させる」というテーマを外すことなく、
実に優れています。 一例を紹介しましょう。
次に示す手紙は、主君・信長が、京都で華々しく実施した
「馬揃え」に出場できなかった秀吉が、信長の側近である
長谷川 秀一に宛てた「詫び状兼感謝の手紙」です。
現代語訳でお読みください。
「馬揃えの壮大さを聞いて、驚きました。
それだけの儀式に参加できなくて無念で仕方がありません。
せめて、参列者の仕立てを教えてください。
私も、城の普請がようやく出来上がってきました。
そのうちお目にかかれます。
その節は、よろしくお願いします」
「馬揃え」といういわば軍事パレードに参加できなかったことを
信長だけでなく、部下の長谷川にわびています。
「あなたのおかげで私がいる」
の精神で秀吉は長谷川をはじめとする側近に、
頻繁に手紙を送っているようです。
秀吉のメッセージは明確です。
「いつもありがとうございます。
あなたのおかげで、今の私がいるのです」
身分が上の秀吉から何度もこういわれれば、
長谷川としても「羽柴(秀吉)さんは本気でそう思ってくれている」
と感じたでしょう。
口頭だけでなく繰り返し手紙を書くことは、
「心にもないことを言っている」
という風に見られなくすることでもあります。
この長谷川が、秀吉に貢献してくれた決定的な場面があります。
それは「本能寺の変」です。
この一大事を、いち早く秀吉に手紙で伝えたのが長谷川でした。
主君の信長が明智光秀に討たれた折、第一報を、誰に伝えるか。
運命を分けたのは、秀吉の日頃からの交際でした。
もし、この急報がなければ、秀吉は天下を取れなかった可能性もあるのです。
この秀吉の文章術は、現在でも通じるでしょう。
元請社員であれば、工事が終われば協力会社の職人に
「工事にて努力してくださり、ありがとうございました。
無事竣工できました。○○さんのおかげです。」
と手紙を書くと良いでしょう。
顧客や近隣住民にお礼を伝えるのは当然のこととして、
一緒に働いてくださった協力会社の方々に
謝意を伝えることは、とても重要です。
そんな関係を作っていてこそ
・クレーム対応
・災害などの緊急時
・急ぎの見積もり作成
などのときに、力になってくれるのです。
『心をつかむ文章は日本史に学べ』
加来 耕三著 を一部参考にしました。
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【編集後記】
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