前田建設工業、前田道路騒動に思う【がんばれ建設1488】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年2月18日
NO.1488
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今日の一言
「技術営業の重要性」
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前田道路が、筆頭株主の前田建設工業が発表した
TOB(株式公開買い付け)による子会社化に
反発を強めています。
私はこの状況の詳細はわかりません。
しかし、前田道路の業績のすばらしさや
他の建設会社とは異なる社風にいつも感心しています。
前田道路は道路舗装業界でNIPPOに次ぐ業界2位で、
19年3月期に600億円の現預金を抱え、
連結自己資本比率は71.6%と財務体質も優良です。
建設業の自己資本比率は30~40%の会社が多い中では
ずば抜けています。
これは前田道路の技術営業力の高さが支えています。
現場技術者は通常、与えられた工事を施工することが
仕事ですが、前田道路の技術社員は、技術営業をするのです。
例えば、舗装工事周辺のコンビニエンスストアを訪問して
駐車場工事を営業します。
また、雨天時には、地元建設会社を訪問します。
雨天時には、地元建設会社の社長や担当者が
在社していることが多いからです。
このことは、数年前に日経コンストラクション記事で知り、
何人もの前田道路の技術社員に直接話を聞きましたが、
皆さん、異口同音に技術営業の大切さを語られます。
また、アスファルト合材の製造販売にも強みがあります。
アスファルトプラント数が全国で約150カ所の
NIPPOと約100カ所の前田道がアスファルト合材市場で
それぞれ約2割のシェアをもっているのです。
私は、この事例を研修でよく話します。
技術者に対しては技術営業の大切さ、そして、
経営者に対しては時代の先を見て投資することの重要性です。
一方、前田建設工業がモデルとなった
映画「前田建設ファンタジー営業部」が上映中です。
前田建設工業の“ファンタジー営業部”の社員たちと、
彼らを支えた技術者たちが、 実際に試行錯誤と七転八倒を繰り返しながら
取り組んだ実話です。
業界のイメージアップにはとても効果的な企画です。
私にとっては大好きな両者ですので、
よい形で騒動が収束してほしいものです。
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【編集後記】
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昨日は、移動中に雪がチラチラ降っていました。
除雪を行う会社にとっては恵みの雪ですね。