建設の専門家として正しい「換気」方法を伝えよう【がんばれ建設1517】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年4月1日
NO.1517
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今日の一言
「なんとなく不安を解消する」
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空気調和・衛生工学会と日本建築学会は
2020年3月23日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて
「換気」に関する緊急会長談話を共同で発表しました。
以下その内容を中心に記載します。
新型コロナウイルス感染症について政府は、
(1)換気の悪い密閉空間
(2)多数が集まる密集場所
(3)間近で会話や発声をする密接場面
の3条件がそろうとクラスター(小規模な患者の集団)発生の
リスクが高まると指摘し、換気の励行や人の密度を下げることなどを
求めています。
ただ、「密閉空間」とはどのような空間を指し、
どれぐらい換気をすれば感染リスクを抑えるのに
有効かは十分に分かっていません。
厚生労働省の専門家会議も、可能であれば2方向の窓を
同時に開けて換気することを促すにとどまっています。
●感染予防に換気が重要な理由とは
ではなぜ感染予防に換気が重要なのでしょうか。
一般に、ウイルスの感染ルートは大きく3つに分けられます。
1)空気感染
2)飛沫感染
3)接触感染
対策は次のとおりです。
1)空気感染 → 換気
2)飛沫感染 → 人と人との距離を保つ
3)接触感染 → 手洗い
新型コロナウイルスに関する最新の知見では、
細かな飛沫が、約3時間空気中を漂って
生存することがすることが分かっています。
米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)が
20年3月17日に発表した研究結果では、
新型コロナウイルスはエアロゾル(気体中に浮遊する
微小な液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体)の状態だと、
空中で最大3時間生き残るとの見解を示しています。
そのため、換気によりエアロゾルを外に出す必要があるのです。
では、どのように換気をすればよいのでしょうか。
●効果的な換気方法
窓がある部屋や乗り物の場合、積極的に窓を開けて
自然換気をすればよいとしています。
一方、機械換気で空気環境を制御している
高層のオフィスビルなどの場合、
通常は省エネルギーを考慮して外気導入量を絞っている
ケースが多いのです。
冷暖房効率は悪くなるかもしれませんが、劇場や電車などでは
外気導入量を増やすことが効果的です。
また、機械換気を適切に行うには、給気口が開いているか、
物などで塞がれていないか、再確認することも重要です。
●家庭用エアコンでは換気できない
一般の誤解が多いのが、家庭用エアコンや、
天井などに設けているパッケージエアコンです。
空気を循環させているだけなので、換気効果を求めるならば
窓を開けたり、換気システムを運転したりする必要があります。
●空気清浄機は効果があるのか
家庭用の空気清浄機については、十分に効果があるかは不明です。
機械を通過する空気量は、部屋の空気を入れ換えるのに
必要な換気量に比べると少ないのです。
なんとなく不安、というのが多くの方の正直な気持ちでしょう。
私たちは建設の専門家として、正しい知見を一般の方々に伝える
必要があると思います。
日経アーキテクチャー 3月27日記事を一部参考にしました。
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【編集後記】
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本日、入社された新入社員が多いことでしょう。
不安な気持ちを持っていることが想定されますので、
笑顔で迎えたいものですね。
何でも自粛するのではでなく、換気された場所で、
1m以上離れて、直接接触しないような歓迎会の
やり方を工夫してみたいものです。