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社長ブログ

25年12月の改正建設業法で導入される「標準労務費」とは何か【がんばれ建設2442】

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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2025年9月22日
NO2442

25年12月の改正建設業法で導入される「標準労務費」とは何か【がんばれ建設2442】

◆工事現場で必要な建設業法、下請法のポイントを学べる解説セミナーを開催中です


◆25年12月の改正建設業法で導入される「標準労務費」とは何か



2025年12月から改正建設業法が全面施行され、

「標準労務費」が新たに導入されます。

これは、技能者に適正な賃金が届くように

するための仕組みであり、

今後の建設工事に大きな影響を与えるものです。



◆なぜ導入されるのか

これまで建設業界では「安すぎる見積もり」

「発注後の値引き交渉」が横行していました。

結果として、末端の技能者にしわ寄せが行き、

処遇改善が進まない状況でした。

標準労務費は、

その最低ラインを明示することで、

技能者への適正賃金を確保することが狙いです。



◆計算の仕組み

単位施工量当たりの金額は

「公共工事設計労務単価 × 歩掛かり(作業量や手間)」

で算出されます。

都道府県ごとに設定され、

現場条件に応じて補正を行います。



例えば東京都の鉄筋工事(建築)では、

工場加工分を含めた

具体的な素案が提示されています。

これにより、「何が妥当な労務費か」を

発注者と受注者が共通認識できるようになります。



◆現場への影響

・工事費全体の上昇要因になる可能性がある

・「総価一式」での見積りから

 「内訳を積み上げて算出する」方式への

 転換が求められる

・不当に安い見積りを出すと「建設Gメン」の

 指導対象となる可能性がある



一方で、生産性の高い施工を実現できる企業は、

歩掛かりを抑えることができ、競争上有利になるでしょう。



◆若手技術者にとっての学び

若手の皆さんには、この制度変更を

「ただのコスト上昇要因」として捉えるのではなく、

「自分の仕事に正当な対価が支払われる仕組み」

として理解してほしいと思います。



標準労務費を踏まえた見積りや

契約の流れを学んでおくことは、

将来現場代理人や所長になったときに

大きな武器となります。

価格交渉の場で「法律で決まった水準がある」と

説明できるのは心強いことです。



◆まとめ

改正建設業法のポイントは

「技能者にお金が届く仕組み」をつくること。

そのために「見積り」「契約」「施工管理」の

プロセスが大きく変わろうとしています。



これから現場を担う若手技術者には、

制度改正をチャンスと捉え、

交渉力や原価管理力を

磨いていただきたいと思います。



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【編集後記】
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建設業法の改正が続きましたが

今回の施行で一区切りです。

内容をよく理解して、違反のないようお願いします。

ハタ コンサルタント株式会社では、

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