コロナ禍で変化の時代こそ、弥生式でなく縄文式で【がんばれ建設1578】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年7月3日
NO1578
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今日の一言
「管理型では変化対応できない」
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日本の歴史をひもとくと、旧石器時代、縄文時代、
そしてお米作りが各地に広がっていったり金属器が
大陸から伝わってきた弥生時代、そして古墳時代、
飛鳥、奈良、平安、鎌倉と続きます。
このうち、縄文社会の食糧調達は、狩猟・採集を基本として、
多種多様な食物を組み合わせていました。
つまり、様々な市場から利益を生み出す、
ビジネスモデルを持っていたわけです。
ある食糧の採集ができなくとも、別の食糧の採集で
代替できるというように、ビジネスを安定させる
ポートフォリオを組んでいたことになります。
現地現場に身を置いているからこそ、
直感的に潜在ニーズを見抜き、
即座に市場機会をつかむ行動を起こすことができていたのです。
結果として、十分な食料を調達していました。
一方、弥生社会の食糧調達は、イネづくりを通じて
コメの生産を基本としていました。
ムラの資源を稲作に集中投下することによって
効率的にコメを確保し、利益を蓄積して
さらなる投資を志向したと言えます。
そのためにも、事業計画に基づいてイネづくりの
緻密な管理を行い、PDCサイクルを回しながら、
確実にイネの刈り取りを目指しました。
収穫後は、年度初めに掲げた目標の達成状況について確認し、
投資に見合う利益を回収できかたか否かを検証します。
そして、翌年度に向けては、新たな期待とともに
成長戦略を描き、さらにムラを発展させようとするのです。
つまり縄文時代は、自由競争社会だったのに対して
弥生時代は、管理型社会でした。
縄文と弥生を比較すると次のようです。
1.ビジネス原理
→どうやって利益を生み出すか?
【縄文経営】ビジネスモデルを持って直感的に動く
(直感的)
【弥生経営】ビジネスプランを作って計画的に動く
(計画的)
2.利害関係者との関係
→どのように利害関係者との関係性を築くか?
【縄文経営】全ての関係者と協業する
(協調的)
【弥生経営】競合他社との差別化で比較優位を築く
(競争的)
3.業務に対する基本姿勢
→どのようなスタンスで業務に臨むか?
【縄文経営】既成概念にとらわれず新しい価値を
創造する(フリーダム)
【弥生経営】ルールに従って正確に業務を遂行する
(コンプライアンス)
4.商談に対する基本姿勢
→どのようなスタンスで商談に臨むか?
【縄文経営】ご縁とともにビジネスを紡ぐ
(感謝が基本)
【弥生経営】投資に見合うリターンを回収する
(期待が基本)
コロナ禍で先が見通せなくなりました。
さらにデジタル化の進展で変化のスピードが速く
過去の成功体験がそのまま役立つということはなくなりました。
すると、「計画的」を特徴とする弥生経営のビジネス原理が
通用しにくい社会へとシフトしており、
事業計画にしがみついていてはビジネスチャンスを逃しかねません。
これに対して、ビジネスモデルを持って「直感的」に動く
「縄文経営」のビジネス原理は、変化の早い現代においては、
絶大な効果を発揮する可能性を秘めています。
現場運営においても、「弥生式」に施工計画を立案して、
計画的に進めながらも、現場状況に変化があった際には、
「縄文式」に変化対応していく必要があるでしょう。
変化が激しい今だからこそ、弥生式から縄文式へ
意識を転換できる人でありたいものです。
『最強の縄文型ビジネス』谷中修吾著(日本経済新聞)を
一部参考にしました。
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【編集後記】
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本州は全国的に梅雨空です。
山が緩んでいることでしょうから、くれぐれも
現場作業では、土砂災害にご留意ください。