社長ブログ

現場を選り好みする現場代理人は成長しない【がんばれ建設1581】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年7月9日
NO1581

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今日の一言
「受け身だからこそ成長する」
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「何事も主体的にやれ」

とはよく言うことです。

しかし、何でも主体的にできるわけではなく、

受け身で物事を進めることも多くあります。

トヨタ自動車元会長の奥田碩(ひろし)さんは、

大学卒業の1955年、景気がドン底で

「卒業生の三分の二は就職できずに留年」するような状態だった

と語っています。

選り好みなどできない状況で、採ってくれるというので

トヨタ入社を決めたそうです。

自動車が好きだったわけでも、企業としての成長性を見込んだわけでもなく、

たまたま自分に用意された環境のなかで勝負していったケースです。

セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長は

大学に入るときには政治家に憧れていたそうです。

だがやがて政治に興味を感じなくなり、ジャーナリストになろうかと考えて、

新聞社を受けたが面接で落ちてしまって、

父親のつてで家の光協会に入ることになりました。

当時、農家向けの雑誌『家の光』は百万部以上の大雑誌でした。

ところが、突然、新卒は採らないことになり、

いわば内定取り消しのようなことになってしまい、

結局、出版流通会社の東京出版販売(現トーハン)に

入社したそうです。

やがて東販を辞めてイトーヨーカ堂に入ってといいます。

このお二人にとって、転身の決断の一つひとつは、

自分でされたに違いないですが、

ビジネスキャリアの始まりは、

やはりたまたま与えられた状況のなかで

自分は何をしたらいいかを見きわめて、

精一杯の努力をすることでした。

自己中心性を脱して、流れにまかせるということが

自らを成長させるにはむしろ必要な要素ではないでしょうか。

逃れようのない関係性のなかで出される指示や仕事は、

いわば「雑菌をふりかけられている」ようなものです。

しかし「雑菌」がなくなったときには、

自分を広げていくのがものすごく難しいのです。

建設会社にいると、突如いろいろな仕事を指示されます。

トンネルを掘ったことがないのに、

トンネル工事の担当をする

はじめて取引する協力会社と仕事をする

やったことのない工法を採用する

などです。

ましてや、自分が現場代理人としてはじめて現場を取り仕切るのは、

ある日突然上司から指示されるものです。

そのときは、驚くだろうし、不安にもなることでしょう。

しかし、新たな「雑菌」を、ふりかけられているうちが花です。

他者からの仕事や任務を、

面倒だからと絶対に引き受けない人がいます。

それが続くと、そのうち、だれからも頼まれなくなります。

「あいつに頼んでも絶対に引き受けないし、頼んでも気分悪くなるからよせ!」

と言われるようになるからです。

「頼まれごとは、試されごと」

という言葉があります。

頼まれているのではなく、試されているのです。

どうせ試されたのなら、相手の期待を超えて

120%の仕事で返したいものです。

そのことこそが、人の成長だと思います。

『雑菌主義宣言!』齋藤孝著(文藝春秋)を

一部参考にしました。

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【編集後記】
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梅雨末期の豪雨が続いています。

メルマガ読者の中にも、

復旧作業にあたっている方もおられるようです。

くれぐれもお体にはお気を付けください。