「円周率は3.14」と教えていると部下は育たない【がんばれ建設1582】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
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NO1582
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今日の一言
「雰囲気で教えていないか」
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自分ではわかっていても誰かに説明できない。
そういうことはよくあるものです。
たとえば、自分では測量計算や図面を上手に書くのに、
ホワイトボードを使って若手社員に説明してほしいというと、
できない技術者がいます。
理由は、「これまでの経験を踏まえてなんとなく
『雰囲気』でやっているのです。
だから、人に上手く説明する自信がないのです」と言います。
あるいは、「自分もきちんと教えてもらったわけではないので、
相手に教え方がわからない」という人もいます。
では、そうなってしまった理由な何でしょうか。
それはこれまでの仕事の仕方が「作業」でしかなかったからです。
例えば測量「作業」だけさせ、うまくいけば○マル
ダメなら×バツを与えるだけの仕事の仕方をしていると、
こういう上司をつくってしまうのです。
たとえば部下に「円周率とは何でしょうか?」と訊たずねたとします。
どう答えるでしょうか。
もっとも多い答えがこれです。
「3.14です」
これではダメなのです。
質問は「円周率とは何か」を訊ねています。
つまり円周率の定義です。
円周率の値を訊ねているわけではありません。
円周率とは「円の直径の長さと円周の長さの比率のこと」です。
図面を部下に書かせる際に
「平面図と正面図と側面図を書け」
というのでは作業をさせていることになります。
「型枠大工が現場で見て、よくわかるような施工図を書け」
と図面の目的を含めて指示するべきでしょう。
普段の上司から部下への伝え方を変えるだけで
部下は自分で考えるようになり、成長するものです。
『数学的に考える力をつける本』深沢真太郎著(三笠書房)を
一部参考にしました。
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【編集後記】
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本日は岐阜で研修を実施しました。
大雨の影響で参加できない方もいらっしゃいました。
この週末も緊急作業のようです。
怪我されぬよう国土を守っていただくこと祈ります。