新国立競技場はスタジアム全体が制震構造になっている【がんばれ建設1587】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年7月17日
NO1587
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今日の一言
「ソフトファーストストーリー制振」
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大地震が発生した後も継続して利用できるように、
国立競技場は建築基準法よりも高い水準で検討されています。
例えば地震荷重については、建築基準法で定める
レベル2(極めて稀(まれ)に発生する地震)の
1.25倍の巨大地震を想定し、部材が弾性範囲内、
つまり建物の機能を保持することを目指しています。
スタンドでは層間変形角を1/125以下まで抑える
設計としています。
また、風荷重については竜巻や突風も考慮しました。
屋根の高さで平均風速49.2m/秒、最大瞬間風速で
いえばおよそ80m/秒の風を想定し、検討しています。
復元力の高い構造を求める中で、スタンドに採用した技術が
「ソフトファーストストーリー制振構造」でした。
地下2階~地上1階を柔らかいフレームとし、
オイルダンパーを集中的に配置。
地震エネルギーを効率よく吸収させます。
一方で、地上2~4階は、斜め梁(レイカー梁)と
鉄骨ブレースで剛性を確保します。
低層部に入れたオイルダンパーは、新たに開発したものです。
高速度で動かしたときに急激に抵抗力を増す
「ハードニング」を防ぎ、安定的に制振効果を発揮します。
ソフトファーストストーリー制振であれば、
柔らかい低層部が免震層のような働きをします。
新型オイルダンパーを使うことで免震と同等の
エネルギー吸収量を実現でき、免震ほど大きな変形量がないのです。
参考文献:日経アーキテクチュア
ソフトファーストストーリー制振については以下をご覧ください。
https://www.taisei.co.jp/MungoBlobs/131/16/K00F59.pdf
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【編集後記】
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