まったく効果のない人材募集広告をいつ止めるべきか【がんばれ建設1603】
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がんばれ建設
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年8月19日
NO1603
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今日の一言
「サンクコストのワナ」
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社員採用を募集する広告はすでに4ヵ月前から続いています。
しかし、まったく応募がありません。
応募数は目標をはるかに下回っています。
社長はこの募集広告をすぐに中止するように提案しました。
ところが、人事部長は拒みました。
「この募集広告はすでに多額を投資してきました。
ここでやめてしまったら、すべてが無駄になってしまいます。」
これは「サンクコストのワナ」といいます。
「サンクコスト」(sunk cost)とは、「沈むお金」という意味で、
もはや回収できない費用のことを言います。
「埋没費用」とも呼ばれています。
建設会社が新技術を導入して、多額のコストをかけました。
しかし、なかなかその技術を現場でつかいこなせません。
そのとき、ここまでコストをかけたのだから後には引けない、
と思ってしまうことも「サンクコストのワナ」です。
「サンクコストのワナ」は“多大な”時間やお金やエネルギーや
愛情を注ぎこむ場面で手ぐすねを引いています。
客観的に見れば、それまでにつぎこまれた資金が
もはや何の意味もなさないときでさえ、
多大な出費をしたことがそのプロジェクトを継続する理由に
なってしまいます。
その昔、ベトナム戦争が長引いたのも、まさしくこれが原因です。
「我々はこの戦争で大勢の戦士の命を犠牲にしてきた。
だから、ここで戦争をやめるのは誤りである」
そう考えたのです。
「もうすでにこんな遠くまで来てしまったから…」
「この本をこんなに読んでしまったから…」
「この研究にもう2年も打ちこんでいるから…」
こういった言葉を手がかりにすれば、自分の頭の片隅に
「サンクコストのワナ」が牙をむいているかどうかを
見極めることができます。
どの時点で損切りできるか、その決断が早ければ早いほど、
優秀な経営者ということができます。
大きく世の中が変わる今、ますます「見切り力」が問われます。
見切り力を身につけたいものです。
『Think right』ロルフ・ドベリ著(サンマーク出版)を
一部参考にしました。
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【編集後記】
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以前はコロナ禍の影響で、集合型研修で予定をしていたものを
オンライン研修に変更したいという依頼が多くありました。
しかし、最近は最初からオンライン研修をしたいという
ご要望をいただくことが増えてきました。
移動のたいへんな現場勤務の方でも
手軽に受講できることが喜ばれています。