社長ブログ

工事部課長が本来行うべき仕事をするための4つのポイント【がんばれ建設1608】

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がんばれ建設 
~建設業専門の業績アップの秘策~
ハタ コンサルタント株式会社 降 籏 達 生
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2020年8月26日
NO1608

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今日の一言
「プレイングマネジャーの仕事とは」
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建設会社には工事部長や課長などという役職があります。

複数の部下を率いて、いくつかの現場を統括管理することが

その主たる役目です。

一方、中小建設会社では、自分も現場管理をしながら、

同時に工事部課長としての立場を求められる場合が多いです。

いわば「プレイングマネジャー」です。

多くの会社で私が見聞きするのは、現場管理者としては優秀なのですが、

工事部課長としてはその任務を果たせていない、という問題です。

この「プレイングマネジャー」たる工事部課長をいかに育成していくかで、

組織の力は大きく変わってきます。

工事部課長には多くの悩みがあります。

これまで現場管理だけをやっていた人が、組織管理もやるとなると、

担当する業務の量が増え、日々、目の前の仕事に追われ、

忙しさのあまり疲弊していく現状があります。

こうなると、部下の指導もリーダーシップも最前線の仕事も、

全部が中途半端になってしまう危険すらあるでしょう。

昭和生まれの工事部課長世代と、平成生まれの若い世代との間では、

価値観が大きく変化しており、マネジメントを難しくする要因となっています。

例えば「セクシュアルハラスメント」や「パワーハラスメント」

「モラルハラスメント」「マタニティハラスメント」は、

昔からなかったわけではありません。

しかし、価値観が変わり、これらのハラスメントが

以前よりも大きな問題ととらえられるようになっています。

そのため、工事部課長の言動や行動は、より慎重に行わなければなりません。

また、生まれてからずっと不景気の中で育った若い社員は、

子供の頃、大人たちがリストラされたり、パート、アルバイトが

低賃金で働かされている姿を見て育っています。

そのため、会社を心から信用していない面があり、

どちらかといえば、会社の価値観よりも自分個人の価値観を優先する

傾向があります。

コンプライアンスやワークライフバランスに対する意識も高く、

工事部課長世代とは意見の食い違いが起きやすいといえます。

その一方で、人間としての本質的な部分は変わっていません。

誰でもほめられれば嬉しくなり、叱られると落ち込みます。

部下が落ち込んでいるときに上手にフォローすれば、

それまで以上に力を発揮できるようになることもあります。

こうした部分は、時代を超えて変わらない価値観だといえるでしょう。

人間の本質を理解し、マネジメントに生かしていくことが重要です。

現場管理一筋でやってきた人には、次のような気質があります。

・自分にしかできない仕事がある

・自分のやり方を変更されると腹立たしい

・顧客が喜んでいるのに、社内で批判的な意見が出て腹が立つことがある

・質の高い仕事をしようとするたびに、予算が足かせになることが

 ストレスである

・「上は何もわかっていない」といつも思う

このような気質は、現場管理する上では役立ちますが、

こと工事部課長として組織をマネジメントする立場になると、障害になります。

そこで、会社として、工事部課長にする前にこのような意識を変える教育を

施す必要があるのです。

では、どのような意識改革をすることが必要なのでしょうか。

1)自分でやらずに部下に任せる

 「自分にしかできない」「自分がやったほうが早い」という意識を捨てて、

 部下のレベルに合わせながら、少しずつ仕事を任せるようにします。

 部下の育成は長期的視野に立ち、成長度合いを見て、任せる仕事の量と質を

 徐々に上げていきます。

2)仕組みをつくる

 部下にどのような仕事を任せるのかをあらかじめ明確化し、

 作業手順を決め、マニュアルを作成するなどして、

 部下にスムーズに仕事を割り振りできる「仕組み」を

 つくっておくといいでしょう。

 標準歩掛かり、標準手順書や、技術提案、設計変更の留意点などを

 まとめておく必要があります。

3)立場の変化を意識する

 部下は上司のことをよく観察しています。

 つまり、工事部課長になるということは、「見る側」から「見られる側」に

 立場が変わるということです。

 部下たちに見せる姿は、すべて工事部課長からのメッセージになる

 ということを、忘れてはいけません。

 具体的には、「視線」「発言」「行動」「メールの文面」などに

 特に注意が必要です。

4)成長し続ける

 工事部課長は、「ずっと成長し続ける」という決意をしなければなりません。

 それは自分だけでなく、メンバーの成長にも責任をもつということです。

 そのうえで、チーム全体で、目まぐるしく変化する市場環境に

 対応していかなければならないのです。

 そのために、資格取得、読書、新技術・工法の知識を

 常に得ておく必要があるでしょう。

「プレイングマネジャーの仕事術」森末祐二著 PHPを

一部参考にしました。

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【編集後記】
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昨日は2件のZOOM形式のオンライン研修を実施しました。

今日は、4件のZOOMを用いた研修、コンサルティング、

そして打ち合わせです。

このところずっとカメラの前で話しています。